国内

オバ記者が体験、弟の死から49日法要まで葬送一連の流れ

オバ記者が綴る葬送一連の経緯(写真/アフロ)

 女性セブンのオバ記者こと野原広子(60才)が弟(58才)を亡くした。死を受け入れる中でも様々な実務がある…。改めて感じた、親族が知っておきたい「死」のその日から49日法要までとは? オバ記者が激動と心痛の日々を振り返る。

◆死
「死んじゃったよ」。6月初めの晴れた日、六本木ヒルズの撮影現場。茨城に住む弟の妻(59才)から、弟(大工・58才)の死を知らされた。胃がんの末期で「もう助かんねぇんだよ」と言う本人の告白から2か月。覚悟していたはずなのに、頭の芯がしびれて何も考えられない。

◆自宅に安置/身内だけの通夜
 急いで茨城の弟の家へ。病院から自宅に戻り、半目で布団に寝ている弟の死に顔を見たとたん、無性に腹が立って、ついひと言、「このバカがっ!」。様子がおかしい弟に数年前から「検査をしろ」と言い続けたのに、「大丈夫だ」の一点張り。そのあげくの死が許せない。

 そうしたら、「ほんとになぁ、バカだよ~」。のんきな声に振り返ると、弟嫁の姉M子ちゃん(61才)はいつもの顔。そのうち弟の悪口ざんまい。「仕事のない日は朝、昼、晩と酒。病気にもなるよ」「あ、動いた? うそ、うそ(笑い)」とどこかのんびりした身内だけのお通夜。

◆葬儀社と打ち合わせ
 翌朝、お願いした葬儀社の人が来て、葬儀の手順と、それぞれの費用の説明。祭壇やお棺は、「みすぼらしくないですよ」と最低価格をすすめてくれ、「まず香典でまかなえます」と言うけど、喪主の次男(31才)は決めることが多くて不安顔。かといって、お金などデリケートな問題もあるので、他の親戚を入れることもできず。都会では事前に見積りをとる人もいるそうだけど。

◆通夜
 亡くなってから4日目。夕方6時からのお通夜に、続々と人が集まってくる。田舎では新聞の死亡欄に載るので、それを見てかけつけてくれる人も。祭壇の両側に「〇×工務店」など大工関係者の花輪。その横に、私と下の弟(49才)とあげた「兄弟一同」の花輪(5万円)。僧侶の読経を聴き、参列者の焼香が続くと、少しずつ弟の死が形になって迫ってくる。

◆通夜ぶるまい
 法要が終わると別室で飲食。何年も顔を合わせていなかった隣近所の人や、40年ぶりに会う親戚もいて同窓会のよう。「早かったねえ」と泣いてくれる人に、ほろりとさせられた次の瞬間、「わああ、久しぶりだねえ~」と抱き合ったりして、気持ちと場面があわただしく変わる。最後は葬儀会場の大広間に布団を敷いて、遠方から来た親戚と雑魚寝。夜中に目が覚めたので、明日は骨になる弟の顔をひとりでしばらく見ていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン