国内

森喜朗氏vs小池百合子氏の五輪闘争に翻弄されたキーマンの死

大会まで3年を切ったタイミングでのことだった

「本当に大変な衝撃で残念でしかたない」──7月24日に開かれた東京五輪組織委員会の理事会で、森喜朗会長は「ある人物」の突然の死を悼んだ。平山哲也・組織委員会役員室長(享年49)である。親交のあった元都庁幹部がいう。

「7月上旬、プーチン大統領との会談で訪露した森氏に平山氏は同行。帰国後に体調を崩して入院し、同20日、帰らぬ人となりました」

 平山氏はもともと都職員で、2014年に都が出資して組織委を設立すると、自らも出向。官民の寄り合い所帯で総務部長を務め、昨年、役員室長に昇進した。

「組織委と都庁の“つなぎ役”に徹し、森氏も『内閣でいえば官房長官』と重用してきた」(前出・元都庁幹部)

 その役回り上、森氏と小池百合子・東京都知事の対立に翻弄された経緯もある。都政担当記者の解説。

「今年初め、都庁から平山氏に対して帰任するよう打診があったのです。IOCからこれ以上の大会準備の遅れを避けるため、組織委幹部を動かすなというお達しがあったにもかかわらず、都庁は出向期限満了を理由に戻れといってきた。平山氏は都庁でも将来を嘱望される立場だったので悩んだと思いますが、2月末に都庁を退職して組織委に残る決断をしています」

 東京都総務局は「ご本人の意志による『自己都合退職』です」と答えるのみ。だが、森氏は4月に上梓した『遺書』で、この平山氏への帰任の打診について、〈小池都知事は本性をむき出しにし始めた(中略)私の手足をもぎ、組織委員会の仕事を妨害することで、私がギブアップし、会長を辞めることを期待しているのでしょう〉と綴り、小池氏の“政治的意図”に怒りを隠さなかった。

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン