平山氏の急逝で〈手足〉を失った森氏。目の前には小池氏との対立が再び先鋭化しそうな状況がある。
「これまで組織委の理事ポストには都議会第一党の自民党から2人が就いていた。だが都議選大敗で都民ファーストの会など小池系勢力に早晩交代する」(同前)とみられており、組織委のなかで森vs小池が再燃するかもしれないのだ。
“火種”には事欠かない。小池劇場に伴う大会準備の遅れは深刻で、周辺自治体との運営経費の割り振りは決まらないまま。築地跡地に予定されている大規模駐車場や選手村からの輸送路となる環状2号線建設が間に合うのかも不透明だ。都と組織委のつなぎ役たり得たキーマンの死は、大会準備のさらなる混迷につながりかねない。前述の理事会で、森氏はこうも語った。
「すべてを犠牲にして五輪にかける判断をしてくれた彼(平山氏)の気持ちを大事にして、大会を成功させなければなりません」
平山氏の願いは叶うのか。
※週刊ポスト2017年8月11日号