◆警察官から羽交い締めに
内苑の参道沿いには遺族が整列していましたが、その背後で数人の左翼活動家が「公式参拝反対!」と叫びはじめました。それを目撃した私は、すっかり職務を忘れて活動家に向かって突進していました。
今となれば笑い話ですが、気づけば、私自身が背後から警察官に羽交い締めにされていたのです。若気の至りと言ってしまえばそれまでですが、ここで私の武勇伝を披露しようというわけではありません。
靖国神社の巨大な門の内側を「内苑」と呼びますが、初めて行われた首相の公式参拝当日の靖国神社の内苑は、その程度の混み具合だったということです。活動家を全力で追い回せるほど閑散としていたのです。
※宮澤佳廣氏・著/『靖国神社が消える日』より