国際情報

中国人のネットゲーム依存 母親が養育拒否に至るケースも

ネットゲーム、大人がハマると深刻(写真:アフロ)

 ネットゲームへの依存は中国では大きな社会問題となっている。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 中国社会はもう長い間、ネットゲーム中毒への対策に苦しめられ続けてきた。地方の都市に行けば、駅前に喫茶店はなくともネットカフェがあり、そこではブルーライトに照らされ、一日中ゲームに明け暮れる中高生がいて、そうした子供を家に連れ戻しに来る両親との諍いが絶えないのだ。

 だが、ネットゲームで身を亡ぼすのは、実は子供よりも大人のケースほど深刻である。

 6月2日付『杭州交通918』の記事、〈ネットカフェで遊ぶため、カフェのオーナーの子供を産み、その子供を3年間以上病院に放置して逮捕された女〉は、そうした問題がいまだ社会に重く横たわっていることを世に知らしめることとなった。

 問題の女性は高文という上海に住む37歳の女性である。

 記事のタイトルにあるような理由からネットカフェのオーナーと関係を持ち、その後、2014年2月19日、中絶手術が怖いという理由から最終的に娘を産み落とした。出産後は娘が重い病気を抱えていたことを理由に病院に預けたまま、自身はネットカフェに入り浸ったというのだ。

 娘の病状が回復した後には、上海市子供臨時看護センターへと移されたものの、その後3年間、一度として高が娘の見舞いに訪れること貸せなかったため、ついに警察に通報され、公安が間に入ることとなったという。だが、公安が彼女を訪れても問題は簡単には解決しなかった。高が娘の養育を拒否したからである。

 2015年2月9日にはとうとう処罰の対象となるとの警告が発せられるが、それでも高は養育の意思を示さなかった。そして2016年5月12日、上海市子供臨時看護センターが娘を引き取り、今日に至っているという。

 なんとも絶望的な話である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン