おつまみ需要を意識して「串おでん」を定着させたローソン
大きく変わったと感じたのはファミマのおでん。最近、テレビCMで活躍する「ファミチキ先輩」の姿をよく見るようになりましたが、ファミマは今 、レジ横スペースを「ファミ横商店街」と命名し、総菜やおつまみなどのリニューアルに力を入れています。
ですから、おでん鍋も新たに商店街の中の「おでん処」と位置付け、盛り上げているのが特徴。ねらいがわかりやすいので、興味をそそられます。
味も変わりました。何といっても、つゆ。「今年は、こんぶだしにこだわった」と開発担当者が言っていたとおり、飲んでみると、こんぶのやさしい風味が際立つつゆになりました。旨みの強い真昆布を使い、製法等も見直したからだとか。さらに、地元の嗜好に合わせて全国7地区で味が違います。
たねで気になったのは、1本の串に3つのたねが刺さった「屋台風おでん」です。
ファミマと統合したサークルKサンクスの「ちび太のおでん」をほうふつさせる逸品で、ファンなら歓喜するのでは。9月19日からの発売ですが、中部地区限定は「こんにゃく・うずら巻き・焼ちくわ」、関東・北陸・東海・関西限定は「こんにゃく・豆腐揚げ・焼ちくわ」(いずれも135円)と、地域の好みに合わせてビミョーにたねの種類を変えるあたり、ファミマの本気度の高さが見えてきます。
次に、すっかり「串おでん」を定着させ、独自路線を走っているのがローソン。
「ローソンのおでんは16時~23時の夕夜間の販売数が約6割と高く、揚げ物総菜やカット野菜、お酒などとの買い合わせが多いです」(ローソン広報担当者)
ということは、ローソンのおでんは「おつまみ需要」が多いのでしょう。串ものを充実させているわけです。
串の売れ筋は、新発売の「豚バラ串」(120円)や希少部位の「ぼんじり串」(100円)など。ほどよい脂がビールやハイボールと合いますから、なるほど、仕事終わりにゆっくり食べたい感じです。
また基本商品では、専用の「ヨード卵・光 玉子」(93円)に注目しています。黄身が濃厚。全国9地区で味の違うつゆにたっぷりつけて、食べるのがおすすめです。ちなみに今年のつゆは、だしだけでなくしょうゆまで地域に合わせて変えているので、旅先や出張のときに確認したいと思っています。
最後にセブンのおでんは、ひとことでいうと、最もマニアックに変わりました。