ライフ

非拡張型「膵・胆管合流異常」 がん化しやすく早期発見が鍵

非拡張型「膵・胆管合流異常」について医師が解説

 膵・胆管合流異常は、アジア人に多く発生する先天性の形成異常で、日本人は数千人に1人の割合で患者がいる。本来ならば肝臓から出た胆管と膵液が通る膵管は、十二指腸の中で合流する。食事のたびに膵液が腸内に排出されるが、十二指腸括約筋が作用して膵液が胆管に逆流しないようになっている。

 ところが合流異常では、十二指腸の外で膵管と胆管が合流し、共通管が長くなっているので、膵液が胆管や胆のうに逆流する。膵液と胆汁が混ざった液が、長期間胆管や胆のうを刺激して過形成になり、その部分に、がんが発生する。都立駒込病院消化器内科の神澤輝実副院長に話を聞いた。

「膵・胆管合流異常は、2つのタイプがあります。1つは先天性胆道拡張症という生まれつき胆管が風船のように膨れているもの。それから胆管非拡張型の合流異常です。拡張症は子供時代に腹痛や黄だんなどの症状が出ることも多く、すぐに手術します。非拡張型はほとんど症状がないので、多くは進行した胆のうがんとして発見されます」

 先天性胆道拡張症の約半分は、子供時代に発見されて手術する。残り4分の1は大人になってから健康診断などで見つかる。その時点で約40%が拡張している胆管がんであり、約60%が胆のうがんだ。

 先天性胆道拡張症の治療は、肝外胆管切除と胆道再建術が行なわれる。肝臓から出ている胆管を根本から切除し、膵管との共同管も根本に近い部分を切除する。その後、肝臓に小腸を繋ぎ、胆汁が直接腸に流れるように再建する。子供は術後経過が長いため、つけた腸管から食べ物が逆流して胆管炎を起こしたり、肝臓に石ができるといった合併症のリスクもあるので、しっかり経過をみることが必要だ。

「先天性胆道拡張症で、がんが発症する割合は約22%ですが、非拡張型では約42%が、がんを発症します。ほとんどが胆のうがんです。通常胆のうがんの発症年齢は60~70代ですが、非拡張型の場合は発症年齢がかなり早く、40代での発症も珍しくありません」(神澤副院長)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
《初共演で懐いて》坂口健太郎と永野芽郁、ふたりで“グラスを重ねた夜”に…「めい」「けん兄」と呼び合う関係に見られた変化
NEWSポストセブン
羽生結弦の被災地アイスショーでパワハラ騒動が起きていた(写真/アフロ)
【スクープ】羽生結弦の被災地アイスショーでパワハラ告発騒動 “恩人”による公演スタッフへの“強い当たり”が問題に 主催する日テレが調査を実施 
女性セブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《「父子相伝がない」の指摘》悠仁さまはいつ「天皇」になる準備を始めるのか…大学でサークル活動を謳歌するなか「皇位継承者としての自覚が強まるかは疑問」の声も
週刊ポスト
自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏(時事通信フォト)
《自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏》政治と距離を置いてきた妻・滝川クリステルの変化、服装に込められた“首相夫人”への思い 
女性セブン
ヒグマ対策を担っていた元レンジャーが語る知床の現実(イメージ、時事通信フォト)
《相次ぐヒグマによる死亡事故》元レンジャーが語った“共生神話のウソと現実”…「人の汗で安全が保たれていただけ」“車と人”にたとえられるクマと人間の関係
週刊ポスト
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
《「めい〜!」と親しげに呼びかけて》坂口健太郎に一般女性との同棲報道も、同時期に永野芽郁との“極秘”イベント参加「親密な関係性があった」
NEWSポストセブン
すべり台で水着…ニコニコの板野友(Youtubeより)
【すべり台で水着…ニコニコの板野友美】話題の自宅巨大プールのお値段 取り扱い業者は「あくまでお子さま用なので…」 子どもと過ごす“ともちん”の幸せライフ
NEWSポストセブン
『週刊文春』からヘアメイク女性と同棲していることが報じられた坂口健太郎
《“業界きってのモテ男”坂口健太郎》長年付き合ってきた3歳年上のヘアメイク女性Aは「大阪出身でノリがいい」SNS削除の背景
NEWSポストセブン
2泊3日の日程で新潟県を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA)
《雅子さまが23年前に使用されたバッグも》愛子さま、新潟県のご公務で披露した“母親譲り”コーデ 小物使い、オールホワイトコーデなども
NEWSポストセブン
卒業アルバムにうつった青木政憲被告
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「ごっつえーナイフ買うたった 今年はこれでいっぱい人殺すねん」 被告が事件直前に弟に送っていた“恐怖のLINE”
NEWSポストセブン
容疑者のアカウントでは垢抜けていく過程をコンテンツにしていた(TikTokより)
「生徒の間でも“大事件”と騒ぎに…」「メガネで地味な先生」教え子が語った大平なる美容疑者の素顔 《30歳女教師が“パパ活”で700万円詐取》
NEWSポストセブン
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン