墓地埋葬法では「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」と定めていますが、散骨は埋蔵ではないので、この法律違反にはなりません。
次に、やたらに物を捨てることは廃棄物処理法16条の「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」に違反します。しかし、廃棄物とはゴミで不要な物です。散骨は「ゴミ」ではありませんし、故人の希望による散骨が「不要品」の廃棄でもないのです。
よって違反にはならないでしょう。山の持主が承諾すれば問題はありません。なお、近年行き過ぎた散骨を規制する動きがあり、条例等を確認することも大切です。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2017年9月29日号