芸能

仲代達矢 今でも映画に出たり芝居をするのは「意地」

84歳の現在も映画と舞台で活躍(写真:時事通信フォト)

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、84歳の現在も映画と舞台の双方で活躍を続ける俳優・仲代達矢が語った言葉を紹介する。

 * * *
 今回も前回に引き続き、筆者が仲代達矢に出演作品の舞台裏や演技論・芸談についてうかがったインタビュー本『仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版』(文春文庫)から、印象的な「言葉」を抜粋していく。

 仲代のキャリアを振り返ってみると、映画と舞台の双方で大きな実績を残していることに気づく。これは、自身が意図的に選択した役者人生であった。

「前にやったのと同じような役をやるのは避けたかったんですよ。映画会社に専属してスターになると、一つ当たると次から次へ同じものが来る。役者になる前から映画を見ながら『外国の役者はどうして作品によって変わっていくんだろう』ということをいつも考えていました。

 そこへいくと日本の役者は、一つ当たるとずーっと同じようなイメージの役をやる。やっぱり作品によって変わっていったほうが面白いだろうなって、なんか無意識の中にあったんですよ。

 それから、やっぱり私は芝居が好きで。苦労してお金にならなくても、一年の半分は芝居をやると。それで、残りの半分を映像にするつもりでいました。だから、年の前半は映像の世界に出て、六月でピタリと止めて、後半は通行人の役でも芝居をやると決めていたんです。たとえその時に映画主演の話があっても振り向かない、と」

「十代はメチャクチャどん底だったものですから、金は欲しかったんですが、金に対する不信感みたいなものもありました」「若気の至りっていえば若気の至りですけど、やっぱりどこかダイナミックに生きてみたいなって気持ちがあったんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

主演映画『碁盤斬り』で時代劇に挑戦
【主演映画『碁盤斬り』で武士役】草なぎ剛、“笠”が似合うと自画自賛「江戸時代に生まれていたら、もっと人気が出たんじゃないかな」
女性セブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
電撃閉校した愛知
《100万円払って返金は5万円》「新年度を待ったのでは」愛知中央美容専門学校の関係者を直撃、苦学生の味方のはずが……電撃閉校の背景
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン