◆技術ごと買収
家電技術の進歩はシェアの拡大を見るとよくわかる。家電ジャーナリストの安蔵靖志氏は「中国の白物家電は日本を呑み込んでいる」と話す。
「2012年にハイアールが三洋電機の洗濯機・冷蔵庫部門を、2016年に美的集団が東芝の白物家電事業を買収したことで、中国メーカーは高い技術力を付けました。特にハイアールのシェアは洗濯機と冷蔵庫部門で世界トップになり、日本製品を凌駕しています。
“中身の見えるスケルトン洗濯機”や、映画『スター・ウォーズ』のキャラを模した“R2D2型冷蔵庫”など、遊び心で技術力を誇示するような余裕さえ見せている。それがさらに中国製家電の評価を高めています」(安蔵氏)
パソコンでも中国製は世界シェアを伸ばしている。「世界で一番売れているパソコンは、中国がIBMを買収して立ち上げたレノボ製です。日本のパソコンを牽引してきたNECも一部がレノボに吸収されています」(ITジャーナリストの新田ヒカル氏)
スマホにいたっては、2014年にソニーがかろうじて世界シェアトップ10に入ったものの、近年では中国の躍進が続き、今年の1月期は、華為(ファーウェイ)がサムスン、アップルに次ぐシェア3位となった。4位には同じく中国企業のオッポ、5位にはヴィーヴォが続き、ベスト5の3社に中国が入った。