それでも野島看護師のもとには、「失禁で衣類が汚れたら恥ずかしい」、「おむつになるのが怖い」という切実な悩みが多く寄せられるという。
「排泄は究極のプライバシー。人としての尊厳なのです。認知症になるとすぐに、尿意や便意がわからなくなるわけではありません。体の機能が衰えても、人の手を借りずに排泄したいのは、すべての人の願いだと思います。まずは受診や骨盤底筋トレーニングをおすすめしますが、やはりおむつは大きな安心。
“おむつが嫌”という気持ちもわかる。失禁でかぶれてお尻が痛い、不快というのとは別次元の嫌悪感なのです。でも今、市販の紙おむつは進化しています。私も試しに数日間紙おむつをつけて仕事をしたりするのですが、感触は普通の下着と変わらず、外からも全然、わかりません。使い勝手が細かくリサーチされ、いろいろな製品が作られています。自分に合うものを使うことで、においやもれなどの心配はまず解消できるでしょう。
また女性なら、若い頃に友達同士で生理用品についておしゃべりしたように、紙おむつも当たり前の日用品としてつきあえれば、生活も気持ちも楽になる気がします」
※女性セブン2017年10月26日号