国内

市販紙おむつが進歩、普通下着と変わらず外からもわからない

進化している市販の紙おむつ

 厚生労働省の調査では75才以上の46.4%、80才以上の57.0%が尿失禁を経験しているという。しかし一方では、最新の紙おむつでアクティブな自立生活に誘うCMが流れ、イメージが一新されそうでもある。そこで高齢者の失禁問題とその乗り越え方について、医療者、ケアマネジャーに聞いた。

◆88才で失禁改善できた人も骨盤底筋ケアを毎日継続!

 高齢医療の研究・診療で知られる東京都健康長寿医療センターの泌尿器科には、失禁や頻尿に伴う生活上の相談もできる「さわやかケア外来」がある。そこでケアに当たる皮膚・排泄ケア認定看護師の野島陽子さんは高齢者でも失禁改善の可能性があるという。

「失禁や頻尿には原因がいくつかあり、原因による適切なケアで改善できることがあります。高齢者に多いのは、骨盤底筋の筋力低下です。

 膀胱や肛門の開閉には骨盤底筋が関係し、加齢によりこの筋力が衰え、くしゃみなどの腹圧で閉めきれずに尿が出てしまう。下痢になっていると便が出てしまうことも。一般に腹圧性失禁といわれる。

 脳血管障害などが原因で排尿コントロールがうまくいかず突然、尿意や便意に襲われて間に合わなくなる切迫性失禁をはじめ、糖尿病が原因で失禁が、また尿路感染や膀胱炎などで頻尿になることも。

 頻尿の人には意外に多い。心配事やストレスが原因になり、夜間頻尿で不眠になってしまう場合も。疾患やストレスが原因であれば、治療やストレスの原因の解消でピタリと止まることも多いので、まずは受診を。

 そして多くの高齢女性がリスクを抱える骨盤底筋の筋力低下は、いわゆる“筋トレ”でかなり改善できます。

 骨盤底筋はおなら、尿、便などを我慢するときに意識される筋肉。腹筋や太ももの筋トレと組み合わせた体操もありますが、高齢者の場合は一度にあちこちの筋肉を鍛えるのは難しいので、骨盤底筋のみに集中して鍛えましょう。

 やり方は、おならを我慢する要領で“締めて緩める”。このとき【1】姿勢は立つ、座る、寝るいずれでも可。【2】腹、尻、太ももに力を入れない。【3】息を止めないように「締める・緩める」を声に出して。

「さわやかケア外来」の患者さんでは88才の女性で半年ほど骨盤底筋トレーニングを続けて、軽失禁が止まったかたも。でもやめるとすぐに失禁が始まったそう。骨盤底筋は足腰と同じ筋肉ですから、鍛え続けないとすぐに衰えます。無理をせず、習慣にして続けることが大切です」

◆市販の紙おむつとの新たなつきあい方で心が楽に

関連キーワード

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン