国内

超高齢社会の今、“大人用おむつ”の使命とは何か?

50代からのおむつ需要も急増

 厚生労働省の調査では75才以上の46.4%、80才以上の57.0%が尿失禁を経験。半数以上の人が、おむつをせざるを得ない状況であるといえる。

 1989年世界初の尿取りパッド発売をはじめ、幅広い年齢層から排泄ケアのニーズを探り、製品づくりに生かしているユニ・チャームは、大人用おむつを巡り、世の中の意識の変化を感じているという。同社広報室の渡邊仁志さんはこう語る。

「失禁があると気分が落ち込み、長時間の外出ができなくなり、高齢者の場合は社会との接点が減って認知症のリスクも上がってしまいます。

 超高齢社会の今、大人用おむつの使命は、単に排泄トラブルをカバーするだけでなく、失禁があってもアクティブで自立した生活が送れるようにすることだと考えています。当社製品でも、パンツタイプは足の入れやすさ、片麻痺でも自分ではける形状を研究し、できるだけ自分で排泄や着脱できるよう工夫しています。

 また興味深いのは、おむつ市場全体で2015~2016の1年で、親などの介護用としては1.3倍、主に50~60代が自分用に買う市場規模が2.3倍に急増。当社の調査から女性・40才の3人に1人が尿もれを経験しており、つまり今の介護者世代は早め軽めからケアを開始。子育てなどが終わり、友人とのスポーツや趣味を思い切り楽しむために、ケア用品を上手に生活に取り入れていると分析しています。

 それを受けて各社とも、軽~中程度向けのパンツタイプのキーワードは薄型、下着感覚。おむつに抵抗感のある高齢の親御さんに『私も尿もれ気になっているの。一緒に使ってみない?』と誘ってみてはいかがでしょう」

 同社は、今年5月には日本初の軽い便もれ専用のパッドを新発売した。

「実は“便もれ”も4人に1人が経験(20~79才の男女2万人を調査)しています。尿失禁のある人の多くは便もれでも悩んでいたのです。生理用品で対処する人が多かったのですが、生理用品は素材の違いから尿や便をきちんと吸収できません。専用パッドをぜひ使ってください」

※女性セブン2017年10月26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン