人間の心の奥に潜むものってドロドロとした怖いものじゃないですか。そういったものを絵として表現する挑戦は面白かった。いろんな自分になるのも結構好きなんですよ。人間は多面的であればあるほど面白いし、自分の中にある多面性をすごく肯定しています。
発売後の反響は、すごく“玄人受け”しました。クリエイターの人からは大絶賛でしたね。多分、あの当時の一般の方は、この世界観についてこられなかったんじゃないかしら。読者のことは何も考えずに作ったので(笑い)。
でも、この写真集がきっかけで『花と蛇』という映画の主演につながったんです。写真集を見た東映のプロデューサーから、杉本彩と何か一緒にやりたいと熱烈なオファーが来たんです。
写真集を通して、女優としてだけでなく、私のクリエイティブな部分にも興味を持ってくださったんだと思います。まさに、私の転機となった写真集ですね。
●すぎもと・あや/1968年、京都市生まれ。女優、作家、ダンサー、実業家、ディレクター。1987年、東レ水着キャンペーンガールでデビュー。『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(NTV系)に出演し、芸能人社交ダンス部メンバーとして多くの大会に出場、入賞を果たす。1993年発売の写真集『ENFIN』(風雅書房刊)を皮切りに、『PORNO』(バウハウス刊)など多数のヘアヌード写真集を発表。2004年公開の主演映画『花と蛇』、2005年の『花と蛇2 パリ/静子』で女優として高く評価される。また芸能活動の一方、「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」を設立し、動物愛護の啓蒙活動にも積極的に取り組んでいる。
※週刊ポスト2017年10月27日号