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2017.10.21 16:00  週刊ポスト

耳の異変がもたらす認知症 脳の刺激低下が大きな要因

◆耳の異変は脳の異変

「会話が楽しくないので口数が減り、結果的に引きこもってうつ状態になる人も多い。会話が聞き取れず、適当なことを言ってごまかすようにもなります。人とのコミュニケーションが減って社会的な孤立が進行すると脳への刺激がますます減り、認知症になりやすくなってしまう」(工藤医師)

 認知症の症状として「幻聴」が発生することもある。耳と脳は互いに密接な関係があることがよくわかる。

 悪循環を断ち切るには、「脳への刺激を復活させる」ことがカギとなる。藤沢御所見病院院長で耳鼻咽喉科医の山中昇医師が指摘する。

「伝音難聴は多くの場合、投薬や手術で聴力が回復します。治療が困難な感音難聴も、補聴器を使って聴力を補えば、脳への刺激が回復して認知症を防ぐ効果が期待できます」

 聴覚の異常は認知症に限らず、重大疾患のサインであることも多い。

「右側から話しかけられたら必ず聞き返すなどの場合は、聴力が低下した耳に『聴神経腫瘍』が生じている可能性があります。また、聞こえの悪さに加えて耳鳴り、目まいが繰り返し起きる、『メニエール病(*注)』の怖れがある」(北西医師)

【*注/発作をともなう目まいや耳鳴り、難聴などを引き起こす内耳の病気】

 こうした疾患による聴力悪化で、認知症の発症、症状の進行が加速することもある。心当たりがあれば、耳鼻科を早めに受診すべきだ。

 加齢とともに耳は悪くなる。だからこそ、“聴力低下のサイン”にいち早く耳を傾けることが大切だ。少しでも異変を感じたら、まずは専門医の検診を。

※週刊ポスト2017年10月27日号

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