《辛いものやなまぐさいものを食べずに、静かな所に居るようにし、男性はその妊婦に力を使わせてはなりません。力を使わせると身体のあらゆる関節をわずらいます》(巻二十二第一章)

 当時も、イクメンは求められる存在だったようだ。同時に、妊婦の「心の持ちよう」にも注意を促す。

《妊娠中は気高い心を持ち、余分なもののない、さっぱりとした清らかな部屋に、いつでも正しい姿勢で坐ること。(中略)考えぶかく、心なごやかに人と協調してすごせば聖となる子を産み、不慮の災難に遇うことはない》(同第二章)

『医心方』が紹介するさまざまな病気の治療法には、薬を用いたものも多い。しかし妊婦の病気に関しては、現在と同じように配慮を促している。

《懐胎したときや妊娠中に病気に罹った場合は、胎児や妊婦に悪影響を及ぼす薬物による治療を避けねばならない》(巻二十一第一章)

 エコー検査がなく、あととりに男児が求められた時代、胎児の性別は今以上に重大な関心事だった。それゆえ、同書は以下のようなさまざまな「判別法」を紹介している。

《〔妊婦を〕南に向って歩かせ、呼んで引き返させる。そのときに左に回れば男、右に回れば女である》(巻二十四第三章)

《妊娠三ヶ月の婦人の尺脈を数えたとき、左手の尺脈だけが大きいのは男、右手の尺脈だけが大きいのは女、両方とも大きいのは双児である》(同)

 妊娠2か月までの妊婦の臍下に3回灸をすると、女の胎児が男に変わる、との記述もある。

※女性セブン2017年11月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン