今年9月末の「国際福祉機器展」で発表されて話題になった、トヨタの福祉車両「ウェルキャブ」シリーズ最新の“サイドリフトアップチルトシート車”。ミニバンの2列目シートが電動回転して車外へ出るようになっており、さらにシートが少し前傾(チルト)するので乗降がとってもラクだという。トヨタ自動車 福祉車両 製品企画部主査の中川茂さんはこう話す。
「少子高齢化がどんどん進み、要介護のかたがたの増加とともに心配なのが、介護するかたがたの高齢化です。厚生労働省の調査によると、介護するかたの約7割が60代以上で、性別は約7割が女性。つまり高齢の女性がおもな介護者というわけです。
クルマの乗降は、足腰の弱ったかたにはしんどく、シートに沈んだ体を起こすのもひと仕事です。また、乗降を手助けする介護者にとっての負担も大きい。そこで開発したのが“回転チルトシート”で、シートがちょっと前傾するだけで乗降がグンとラクになり、車外への出っ張りも少ないので、狭い駐車場でも不自由なくお使いいただけます。
今回、新たに開発したサイドリフトアップチルトシート装着車(乗員7名/2WD 267万1000円~)は、見た目も乗り心地も通常のクルマと同じ。普段は通勤や買い物にお使いいただき、通院やご家族での外出時に機能をご活用いただけます。ご家族各自の自由な移動と、みんな一緒の楽しい外出をストレスなく楽しんでいただけたら、とてもうれしいですね」
そんな「ウェルキャブ」シリーズ最新の“サイドリフトアップチルトシート車”を、“ばぁば”こと92才の料理研究家・鈴木登紀子さんが体験した。