スポーツ

角居勝彦調教師語る、5着に入れば馬主に顔が立つ

調教師・角居勝彦氏が「着順」についての見方を語る

 馬連を買っていれば「また2着3着かよ!?」、ワイドや3連複を買っていれば「惜しい4着!」。レース後のこんな悲哀は競馬ファンなら何度も味わっているところだ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、調教師としては何着であれば馬主に顔が立つのかについて打ち明ける。

 * * *
 馬が勝った時、私たち陣営と応援してくれたファンの方々の歓喜はピタリと一致します。人気があろうとなかろうと、レースに出すからには、常に勝たせることを考えています。しかし現実問題として着順が下がるにつれ、両者に微妙な乖離が生まれることになる。

 陣営が「3着なら、よく頑張った。強い相手が揃っていたし」などと自足するところでも、馬連を買っているファンからすれば「3着かよ~」となりますね。私たちは、ファンの期待に応えられなかった悔しさを見つめなければいけません。

 この乖離が、最も大きくなるのが4着、5着ではないでしょうか。馬券的には「ハナ差の4着」というのは、何の役にも立ちません。馬券を買ったファンにとっては4着でも5着でもどうでもいいことです。

 しかし馬を走らせた側には通常8着まで、重賞ともなれば10着まで賞金が出ます。たとえばGIで天皇賞(秋)ともなれば、4着でも2300万円。これは平場のオープン特別勝ちとほぼ同額、5着でも1500万円です。重賞の場合、収得賞金が加算されるのは2着までですが、4着以下でも着順を一つでも伸ばすことがいかに大事か分かります。

 調教師として馬主さんに顔が立つのは掲示板に載る5着以内。未勝利戦でも5着に入れば、預託料1か月分の負担がほぼなくなります。

あわせて読みたい

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト