国内

出会い系サイト「ズーロア・ドッテイナユ」の衝撃と男女格差

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 出会い系サイトをめぐるトラブルは後を絶たないので、業者が摘発されたなどのニュースをきいても「またか」と慣れてしまっているだろう。ところが先日、60代の男性が運営会社を相手に訴えた裁判は、慣れきった人にとっても驚きの内容だった。3年間で約5000万円を費やした男性が支払ったメールの内容の衝撃から、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が出会い系における男女格差について思いをめぐらせた。

 * * *
 ネットでは妙に人々のツボにはまってしまう言葉というものが時に登場する。10月に若干話題となったのが「ズーロア・ドッテイナユ」である。59歳の誕生日までに恋人が欲しいと考えた男性(現在は60代)が出会い系サイトに約5000万円を注ぎ込み、“女性”とメールのやり取りをし、会う約束を取り付けたにもかかわらずドタキャンをされるなどし、会うことができなかった。

 システムとしては、会員登録したうえで1ポイントを10円で購入し、様々なサイト内の行為に課金する。メール送信には22ポイントが必要で受信には24ポイント必要だ。女性のプロフィールを見るのにもポイントが必要で、「出会いたい」という男の欲望を叶えるためにとにかくカネを使わせるつくりになっている。

 運営側としては、会員に何度もメールを送らせればより儲かるわけで、思わせぶりなメールを送るなどすれば、よりメール送信回数を増やすことができる。こうしたことからサクラであると男性はサイト運営会社を訴え、男性が勝訴した。裁判所は、登録された女性の一部の写真は台湾や香港のモデルだったと認定した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト