この件については「なんで気付かないのだ?」という疑問の声のほか、「殆ど騙されてると知りつつ、一縷の望みに金をつぎ込む59歳が悲し過ぎる」といった憐憫の情を抱く人もいる。だが、今回、多くの人のツボに入ったのが、超能力者を名乗る女性が「『ズーロア・ドッテイナユ』これを10回伝えて!」とメールを送ってきた件だ。男性がその前にやり取りをしていた女性は悪者から追われており、彼女を助けるにはこの言葉が必要だというのだ。どう考えてもメールをたくさん送らせるための方便だ。

「ズーロア・ドッテイナユ」を逆さに読めば種明かしになってしまうが、この語感は、漫画に登場する決めゼリフも似たようなところがある。それこそ『まことちゃん』の「グワシ」、『ブラック・ジャック』に登場する「アッチョンブリケ」、『サルでも描ける漫画教室』の「ちんぴょろすぽーん」もそうだ。こうして考えると、「ズーロア・ドッテイナユ」などという面妖なる語感の言葉を採用するのは、それなりに年齢のいったオッサンといった感覚を持ってしまう。

 59歳男性が「あやか」(報道時に登場した仮名)だと思い、必死に何度もメールを送っていた相手が同世代のオッサンだったということもあり得る。

 こうした出会い系サイトのサクラのバイトは私の知り合いもやっていた。「データ入力」名目の求人に応募したところ、サクラのバイトで、彼は自分も男なだけに男の心を揺さぶる言葉の数々を知っている。何度も何度もメールのやり取りをさせることに成功し、歩合制でけっこうな給料をもらっていると自慢していた。

 そして、最近知り合いの女性から聞いたのが、実名制のフェイスブックと連動させた出会い系アプリである。とにかく女性の場合は「入れ食い」状態。興味を持った男性に会いたい意思を示せばすぐに連絡がくるし、男の方が会員数が多いだけに彼女への申請も多数。今や男を漁り放題だという。と考えると冒頭の男性があまりにも哀れ過ぎる。

●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など

※週刊ポスト2017年11月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン