中国新聞網が張全人代委員長の発言として報じたところによると、中国ではこのような産業廃棄物の不法投棄は氷山の一角であり、毎年33億トンの産業廃物が投棄されている。張委員長はその処理だけで、今後5年間かかり、その処理の費用が総額で10兆元(約174兆円)かかると明かしている。
中国では産業廃棄物ばかりでなく、生活ごみの処理も膨大だ。特に家畜の死骸や糞尿などの家畜関連のゴミは毎年40億トン出ているほか、一般家庭からのゴミも年間で2億トンにも上っている。
とりわけ、農村部ではごみ処理施設が普及しておらず、それこそ空き地に家畜の死骸が山積みなっている光景がみられているというほど。張氏は「地方都市の57%がゴミ処理施設を持っておらず、家畜関連の40%のゴミが適切に処理されていない」と指摘している。
中国は1980年代から急速に工場など生産施設が乱立、ごみ処理施設の整備にまで手が回らなかったという事情があるとはいえ、いま、そのツケが回ってきたといえるだろう。