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2017.11.16 07:00  週刊ポスト

『のび太の魔界大冒険』をハッピーなパロディにしたアート作

篠原愛作『To the Bright~のび太の魔界大冒険~』(c)Ai Shinohara (c)Fujiko-Pro

「あなたのドラえもんをつくってください」とのメッセージを受け取った28組のアーティストによる新作を集めた「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」。画家の篠原愛さんによる『To the Bright~のび太の魔界大冒険~』は、カメレオンやドラゴンを参考に架空の生物「ツノクジラ」を描いたものだ。篠原さんが同作品について語る。

 * * *
 幼い頃はドラえもん柄の水色のお皿やお茶碗を使っていて、4歳頃からビデオで『のび太の魔界大冒険』の映画を観ていた記憶があります。そんな懐かしい映画の1コマを油彩で描きました。

 原作では魔界の人魚がドラえもんたちをおびき寄せてツノクジラに食わせようとするシーンがあり、その光景が子供心にとても怖かったんです。ここでは敵対するイメージを排除し、みんなで仲良く戯れているようなハッピーなパロディにしました。共存への願いを、金子みすゞの詩『明るいほうへ』を英訳した『To the Bright』のタイトルに込めています。

 色を何層も重ねられるのが油絵の持ち味です。人魚の女性的な柔肌には7~8回色を重ね、髪も繊細に塗り重ねて艶を出しました。

 お尻にタケコプターをつけて飛ぶドラえもんの姿は好きなシーン。漫画とはひと味違う、油絵ならではのタッチを感じていただけたら。この機会に初めて油絵に接する子供たちもいると思うので、キャンバスのタックス(麻布を張り留める釘)も隠さずそのままにしています。かつて私が側面を目にして「これが油絵なんだ!」と心が震えた、みずみずしい感動が伝われば幸せです。

●しのはら・あい/1984年、鹿児島県生まれ。画家。国内外の個展、グループ展に多数参加。代表作に『サンクチュアリ』(2016年)。園子温監督の著書の装画、同監督の映画『ANTIPORNO』に油彩作品が採用された。作品集に『Sanctuary』(復刊ドットコム)

◆「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」は2018年1月8日まで、森アーツセンターギャラリーで開催(東京・六本木ヒルズ)。【開館時間】10~20時(火曜は17時まで)【休館】会期中無休。

※週刊ポスト2017年11月24日号

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