「ドン・キホーテが50型4Kテレビを5万円台で販売して即日完売したように、最近は廉価な4KのPB(自主企画)テレビも増えてきました。この傾向は今後さらに続くはずで、4Kも価格競争に巻き込まれ、利益が出ない商品になる日も近いでしょう。
パナソニックやソニーは有機ELテレビで次の高付加価値商品を市場に送り出していますし、台湾・鴻海傘下のシャープは8Kテレビを開発しています。しかし、それらも遠くない将来、廉価版が出てくるのは間違いなく、高付加価値→廉価版登場→収益悪化→次の高付加価値のイタチごっこ。安定して収益を生み続けるのは容易ではありません」(関氏)
では、かつて日の丸家電の象徴だったテレビの復権はあり得ないのか。関氏が続ける。
「日本メーカーはいまだに“テレビは家電の王様”との幻想を抱いているため、できるだけ自社ブランドのテレビを作り続けたいというのが本音でしょう。
しかし、将来はIoT(モノのインターネット)により、家の中の電化製品がすべて繋がっていき、テレビは家電システムの中で単なるモニターとして存在することになります。そうなると、パソコンが各社事業統合を繰り返して差別化が難しくなっているのと同じで、テレビもどこの製品か誰も気にしなくなるかもしれません。
テレビ自体が付加価値を持つ時代は二度と戻らない。家電の王様の座からの転落はすでに始まっているといえます」
さて、ハイセンスは今後40年間にわたって東芝ブランドを使用できるライセンス契約を結んだというが、果たしてそこまで相乗効果を発揮し続けることができるか。