「いくら工夫を凝らしても自分ひとりで作った食事を孤独に食べるのは寂しいもの。少しでも人恋しさを感じたら、私は飲みに行く。何度か通っていると、『おいでよ』と声をかけてくれる常連や店員がきっといます。自分の落ち着ける店を見つけると、そこからコミュニティが広がっていく」
8年前に妻を亡くした帯津三敬病院名誉院長の帯津良一氏(81)も、大木氏と同意見だという。
「私も家でひとり酒を飲んでいると、“妻が生きているうちにもっとこうしてやればよかった”と気持ちが沈んでしまう。私の持論ですが、自然治癒力や免疫力を高めるには、歓喜、喜びが大事。偶然の喜びは人との出会いから生まれるから、悲しみに打ちひしがれて家にこもるのではなく、なるべく外に出て人に会うようにする。居酒屋でもそば屋でも、人に会う機会を増やすようにすべきです」
※週刊ポスト2017年12月1日号