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妻が生きている間に心がけておくべきこと 大学教授が指南

『70歳、はじめての男独り暮らし』(幻冬舎刊)の著者・西田輝夫氏

 長年連れ添った夫婦にも、いつかは別れの日が訪れる。それは特に夫にとって、人生を一変させるほどの深刻なダメージになる。国勢調査(2015年)によれば、妻に先立たれた65歳以上の男性は、全国で約144万人もいるという。その体験談に耳を傾けると、妻との別れと向き合うことの難しさ、大変さがよくわかる。

 洗濯や掃除などの家事についてはどうか。『70歳、はじめての男独り暮らし』(幻冬舎刊)の著者で、山口大学医学部眼科学教室教授、同大理事・副学長を歴任した西田輝夫氏(70)は「必要に迫られれば、家事は自ずとこなせるようになるので、重く捉えなくていい」という。ただし、妻が生きている間に心がけておくべきことはあるという。

「時間があれば妻の行動を目で追って観察することです。家事を手伝う必要はありません。今まで何も手伝ってこなかった夫が突然“手伝うよ”といってきても、妻にとっては教えるのも大変ですし、足手まといになるだけ。

 しかし妻の様子をおぼろげにでも見ていれば、洗濯や掃除など家事のやり方は少しずつ頭に入ってくるし、生活必需品がどこにあるかも見当が付くようになってくるはずです。何より“こんな大変なことをやっていたんだ”と感じることで、当たり前だと思っていたことへの感謝の気持ちが生まれてくる。それが“自分でやれることは何か”という気持ちに変わっていきます」(西田氏)

 独り身になったからといって、人は突然変われるわけではない。「その時」が来たとき、いかに今の自分を崩さずに生きられるかが大事なのだろう。

※週刊ポスト2017年12月1日号

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