──仕事として独立系候補に関わるようになったのはいつからですか?
畠山:同じ『週刊プレイボーイ』で大川興業の大川豊さんが「政治の現場 十番勝負」という連載を始めるとき、取材と構成を担当するよう声をかけてもらってからです。僕がボツになる選挙ネタばかり出していたのを覚えていてくれた当時の担当編集者が、「きっと総裁と話が合うだろう」と言ってくれたんです。1998年の10月に始まった連載は、その後「政治の現場 すっとこどっこい」とタイトルを変えて結局、7年くらい続きました。このときの濃密な体験が、いまも続けている選挙取材、独立候補の方々への取材につながっています。
──大川さんは独立系候補をインディーズ候補と呼び、ライフワークのように追いかけていることでも知られていますね。
畠山:大川さんとは、いろいろな政治の現場、数多くの選挙に行きました。自民党など大手政党の立候補者だけでなく、独立候補のこともたくさん教えてもらいました。とはいえ、やはり、連載では大政党に所属するメジャーな政治家、候補者について取り上げていました。でも取材は、メジャー候補の何倍もインディーズ、独立系の候補者たちを追いかけていたんです。連載記事に出来なかった独立系候補者たちのことを、2007年に『日本インディーズ候補列伝』という本にまとめるのに関わったことで、初めて独立候補への取材が仕事として形になりました。
──当時、取材した独立系候補のなかで、とくに印象深い候補者として思い浮かぶのは?
畠山:いろいろな人が思い浮かびますが、やはり最初に紹介してもらった山口節生さんは強烈な第一印象でした。埼玉県にお住まいの、20年以上前からいろいろな選挙に立候補して、政治に関心を持って欲しいと訴え続けている人です。この山口先生によって、独立候補の凄さを知りました。
──独立系候補の凄さとは、どんなことに現れるのでしょう?
畠山:とにかく“くじけない”人たちです。世間は独立系候補に冷たいですが、それでも立候補する人は、くじけない。泡沫候補と呼ばれますが、泡みたいに消えない人たちが多いですよ。山口さんもそうで、選挙活動もゲリラ的で予測がつかないことをします。先日政界を引退した亀井静香さんの写真を、自分の選挙ポスターに使ったこともありました。