最近も、安倍首相は、貿易不均衡を求める米国の意向に従って、巨額の軍事兵器の購入を約束したが、これは二重の意味で米国の利益に叶っている。米国経済を支える“軍産複合体”というビジネスモデルに貢献するだけでなく、米軍のアジア地域での戦闘力向上にも寄与することになるからだ。
おまけに最新兵器で武装される自衛隊は、独自に行動することなく、有事の際、「すべての日本の軍隊は、アメリカ政府によって任命された最高司令官の指揮のもとに置かれる」。そう定めた占領期の密約が、形をかえていまなお生きているという。では、いったい、どうすれば本来の主権を取り戻せるのか。本書は、その道筋をも示している。
※週刊ポスト2017年12月15日号