安倍首相は早急に中国との対話を強化して、戦略的互恵関係を再確認し、協調路線を進めなければならない。安倍首相ならば、その必要性を説明し国民を納得させられるだろう。日本の政界に、トランプ、プーチン、習近平らが一目置いて話す政治家は安倍首相しかいない。

 彼にしか難局は乗り切れないのだ。ここに挙げた課題に正面から取り組み、国難を乗り越えれば、安倍首相は歴史に残る大宰相となるだろう。チャーチルやドゴールと並ぶ大指導者になる可能性さえあると私は期待している。

【PROFILE】田久保忠衛●1933年生まれ。早稲田大学卒業後、時事通信社に入社。ワシントン支局長などを歴任。杏林大学名誉教授。日本会議会長。国家基本問題研究所副理事長。『日本国憲法と吉田茂─「護憲」が招いた日本の危機』(自由社、共著)など著書多数。

※SAPIO2017年11・12月号

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