吉田茂一覧

【吉田茂】に関するニュースを集めたページです。

農林大臣、建設大臣などを歴任した河野一郎氏(時事通信フォト)
「総理になれない一族」河野太郎氏 総裁選出馬を阻む2つのファクター
 菅義偉・首相のお膝元の横浜市長選で自民党は大敗。「菅首相のままでは確実に総選挙に負ける」(自民党3回生議員)と、党内は大騒ぎだ。高市早苗・前総務相、下村博文・政調会長、岸田文雄・前政調会長らが出馬に動き出しているが、若手議員から「選挙の顔」になれると期待されているのがワクチン担当の河野太郎・規制改革相だ。ツイッターのフォロワー数は国会議員最多の230万人を超え、新聞・テレビの世論調査でも「次の首相にふさわしい人」の1位につけている。 河野家は戦前・戦後を通じて90年近く、一族で国政に議席を持ち続け、鳩山家、岸・安倍家とならぶ政界の名門として知られる。その一方、永田町で「総理になれない家系」とも言われる。祖父の一郎氏も父の洋平氏も、「総理の座」をつかみかけながら、目前で逃したからだ。 祖父・一郎氏は、朝日新聞記者を経て戦前に代議士となった。戦後は吉田茂・首相と対立したが、保守合同で自民党が結成されると河野派を率いて農林大臣、建設大臣などを歴任し、党実力者の1人となる。 総理のチャンスは2回あった。最初は岸内閣時代(1959年1月)、党内対立に苦しんだ岸信介・首相は、大野伴睦・副総裁、一郎氏らの協力を得るために、総裁を大野氏、一郎氏、佐藤栄作氏の順に回す政権禅譲の密約を交わす。しかし、岸氏はその密約を反故にした。 2度目は1964年に池田勇人・首相が病で退陣を表明したときだ。その年の総裁選で池田氏を支持し、副総理兼五輪担当相に就任していた一郎氏は政権禅譲を期待した。だが、池田氏は佐藤氏を後継指名し、一郎氏は失意のうちに急死する。政治評論家の小林吉弥氏が語る。「河野一郎という人は持論を譲らず、筋を曲げないタイプ。戦前からの党人派政治家として官僚出身者を重用する吉田首相を批判し、自民党では吉田門下の保守本流と対立してきた。結局は池田、佐藤という保守本流に総理就任を阻止された」 祖父の跡を継いだ父の洋平氏も同じ“宿命”を背負った。田中角栄・首相の金権政治を批判して自民党を離党し、新自由クラブを結成する。その後、自民党に復党、宮沢内閣の官房長官を務め、1993年の総選挙に自民党が敗北して下野すると、野党時代の自民党総裁に就任した。 自民党は翌年、自社さ連立の村山内閣で政権に復帰し、洋平氏は副総理兼外相に就任。1995年7月の参院選で社会党が大敗し、村山首相が辞意を漏らして洋平氏への政権禅譲が取り沙汰されたが、旧田中派の流れを汲む小渕派が河野首相就任阻止に動き、橋本龍太郎氏を擁立。洋平氏は所属する宮沢派をまとめきれず、戦わずに出馬を断念した。毎日新聞記者出身で洋平氏の秘書を務めた鈴木恒夫・元文科大臣が言う。「洋平氏は自ら総理の座をつかみにいくようなことはしませんでした。日頃から『総理を目指すのではなく、なすべき政治を行なうのが政治家の本分である』と語っていて、理想を追い、権謀術数で権力を取るということをしなかった。これでは総理になれるものではないと思います」宿命に逆らったはずが そして河野氏も、「持論を譲らない」という河野家のDNAを受け継いだ。若手議員の頃には外交問題など国会の採決で造反、処分を受けて「自民党の異端児」と呼ばれ、党の方針に逆らって「反原発」を唱えてきた。しかし、父たちと違うのは、「総理の座」を目指し、河野家の宿命に逆らおうとしていることだ。「(総理に)なれる家系、なれない家系を気にしてもしょうがないと思っている」 河野氏は2009年の総裁選出馬の際、「総理になれない家系」のことを質問されてそう答えた。総理になるために持論も引っ込めた。異端児の河野氏は自民党内で出世が遅かった。初入閣は初当選から20年目、15年の安倍内閣の規制改革相就任だった。このとき親分の麻生太郎氏から踏み絵を迫られる。「持論を封印して自ら総理大臣になってから実行するか、大臣になることを諦めるかを選べ」 河野氏は反原発など持論を封印して大臣就任の道を選ぶ。祖父や父とは違う選択であり、“変節”批判を浴びたが、踏み絵を踏んだことで、出世の道が拓けたのは事実だ。安倍内閣で規制改革相、外相、防衛相を歴任し、菅内閣でも入閣、ワクチン担当相としてコロナ対策の檜舞台を与えられた。 その河野氏にいま、祖父や父と同じ「壁」が立ちはだかっている。洋平氏とともに新自由クラブを立ちあげた経験を持つ山口敏夫・元労相が指摘する。「河野氏の総裁選出馬を阻んでいるものが2つある。1つは同じ神奈川選出の菅首相への遠慮。河野氏は菅さんに引き上げられてきたため、総裁選で対決しにくい。 それ以上の障害は麻生氏でしょう。麻生氏は派閥会長を続けたいから、河野氏の出馬を認めない。池田首相から政権禅譲を期待した河野一郎が吉田茂と門下生に阻まれたのに似ている。一郎氏の孫が、吉田茂の孫に総裁選出馬を止められている。しかも、自民党内で数を持っていない河野氏にすれば、続投した菅首相の後継者として政権禅譲を受ける可能性が高い。だから、菅首相と対決もできない」 河野家の宿命に逆らったつもりが、同じように搦めとられている。洋平氏と野党時代の自民党再建にあたった亀井静香氏が語る。「河野太郎にとってむしろチャンスだ。政府のコロナ対策では菅後継は選挙に勝てない。河野君は麻生が止めるのを振り切って出馬会見を開き、菅総理に『ご苦労様。あとは私に任せろ』と宣言して勝負に出るしかない」 果たしてその決断はできるのか。※週刊ポスト2021年9月10日号
2021.08.29 16:00
週刊ポスト
三宅雪子氏 交流あったジャーナリストが明かす「暗中模索」
三宅雪子氏 交流あったジャーナリストが明かす「暗中模索」
 三宅雪子・元衆議院議員の突然の訃報に、衝撃が広がっている。自殺とみられ、自宅から遺書のようなものが見つかったと報じられているが、いったい何が彼女を追いこんでしまったのか。死の直前まで交流のあったジャーナリストの福場ひとみ氏が、彼女の知られざる落選後の人生を明かす。 * * * 今回の訃報を聞いて愕然としてしまった。生前にもっと彼女の再起をサポートできればという悔いが募る。週刊誌の取材記者をしていた私が三宅雪子さんを取材したのは、2017年のこと。そのとき彼女はすでに落選していたが、議員らの政治活動に頻繁に顔を出すなど政治活動をつづけていたので当時の選挙事情にもとても詳しかった。以降、時々食事したり電話で情報提供を受けたりする関係だった。 彼女に会いに行くと、自宅マンションにどうぞと案内された。自宅は港区一等地の閑静な住宅街にあり、広々としていた。労働大臣・運輸大臣・内閣官房長官を歴任した故・石田博英氏の孫で、父は外交官、生まれはワシントンD.C.。全盛期のフジテレビに河野景子、有賀さつきらスター女子アナの同期として入社し、小沢一郎氏の後押しを受け政治家になり、政権交代でいきなり与党議員に。落選したとはいえ、恵まれた境遇を歩んできたように見えた。 通常、取材とはいえ、初対面の人物を自宅に招き入れてくれる人はめったにいない。ところが彼女はあっさりとリビングまで案内してくれた。しかも部屋着のまま、ボサボサの髪でノーメイク。睡眠不足なのだろうか、目は半開きで表情も虚ろだった。初対面にもかかわらず、無防備さをさらけ出していた。 最初の取材の後、今度は彼女と自宅前にある高級ホテルのラウンジでお茶をすることになった。すると前回とは見違えるように、髪を整え、化粧をして、現役議員のころ“芸能人並みの容姿”と持て囃されていた時のようにキラキラとした姿になっていた。あとで彼女のツイッターを見てみると、久しぶりに美容院に行ってきたのだという。 そのとき「実は、ルポライターとしてメディアで発信していくことを考えているんです」と相談を受け、彼女は考えてきたというアイディアを山のように話してくれた。現役の議員ではないにもかかわらず、彼女の得意とする厚生労働分野などの細かな動きに精通していた。聞くと、元国会議員の場合は煩雑な手続きなしで委員会を傍聴できるそうで、頻繁に通っているのだという。 そして、彼女から自著や過去に書いた記事のコピーやサンプル記事、そして企画書をもらった。私から各種メディアに売り込んでほしいということだった。「私の出した企画はいつも通るんです。いままで落ちたことがない、必ず通るんです」と自信たっぷりに見せてくれた。その後も企画を出してくれるたびに、そう言っていた。 サンプルとして渡してくれたものひとつに「小沢一郎と私」というエッセイがあった。彼女の父と小沢氏との関係から始まり、自身が議員となるきっかけなどが綴られていた。ただ、こうした企画は「小沢ガールズ」として持て囃された時代には企画が通る場合もあったかもしれないが、旬を逸した話題を記事にすることは難しく、結局、世に出すことはできなかった。 その後も、彼女とは時々連絡を取る関係が続いた。私が政治に関する漫画の監修をするといえば、自身の政治家としての経験を語ってくれるなど、最大限の協力をしてくれた。 彼女によると、雪子という名前は、吉田茂の妻として政界から人気のあった雪子夫人にちなんだ名前であり、吉田家と交友関係のあった父からつけられたのだという。幼い頃から政治の世界と遠くない距離にいて、いろんな刺激を吸収してきたのだろう。彼女は多くを吸収する人で、多くの現役議員よりも勉強熱心だったように思う。 彼女から発せられる言葉は力強かった。弱い立場の人に救いの手を差し伸べたいという政治に対する熱意を失っていなかった。フジテレビ同期である有賀さつきさんが亡くなった際も、残されたお子さんのことをとても心配していた。 しかし、一方で、彼女が抱えている弱さも垣間見えた。彼女はインターネットで元支持者から誹謗中傷を受けていることを気に病んでいた。「そんなことを気に留めていると精神的にもたないですよ」と言って聞き流していたが、当事者になると簡単には無視できないものなのだろう。彼女はネットストーカー問題の企画も多数提案してくれたが、それもなかなか企画には繋げられなかった。メディア関係者を直接紹介することもしたけれど、元国会議員としての発信は色がつくと敬遠され断られることもあった。 それでも昨年、彼女は自力で日刊紙の連載の機会を得たようで、嬉しそうな連絡が来た。そして地方議会の議員としてローカルに活動する可能性にもチャレンジしたいなどとも抱負を語っていた。 昨年11月に彼女から私に来た電話が最後だった。「今度、要人と会うから、三宅雪子のインタビューということで、どこかのメディアでできないでしょうか?」という提案。私は可能性のありそうなメディアに打診してみたがいい返事は得られなかった。年明けくらいに編集者を紹介しますねと話したきりだった。彼女は「腰痛で痛い、薬を飲んでも耐えられないくらい激痛で辛い」と珍しく愚痴った。たまたま私もヘルニアを発症し歩けない状態だったので「たまたまですね、私もですよ」というと、そんなレベルじゃないんだと言っていた。 落選してからの彼女は、長く暗中模索の様子だった。政治家として、世の中のために働きたいというエンジンがかかったまま、動かす場所を見失っていたようにみえた。それでも彼女はもがいていた。頑張ろうとしてもがいてもがいて、そしてどこかで糸が切れてしまったのだろうか。今はただ、冥福を祈るほかない。
2020.01.07 07:00
NEWSポストセブン
猫と犬、より癒やされるのはどっち?
「犬派vs猫派」の大論争 セラピー効果が高いのはどっち?
「猫と飼い主の絆の深さは、犬と同等かそれ以上である」──そんな研究結果が、オレゴン州立大学の研究チームによって米科学誌『カーレントバイオロジー』(2019年9月号)に発表された。「犬は3日の恩を3年忘れず、猫は3年の恩を3日で忘れる」とも言われるように、古来、犬は人間に懐き、猫は自由気ままというイメージが定着しているが、そんな通説を覆す研究結果だ。 だが、東京農業大学農学部の太田光明教授によるセラピー効果の実験では、飼い主と飼い犬との関係が「良好」な場合、飼い主は飼い犬と触れ合うことで“幸せホルモン”と呼ばれるオキシトシンの濃度が大きく上昇するとの結果が出ている。 大の犬派を自認する脳科学者・澤口俊之氏は、こんな研究データを紹介する。「今年10月には『犬を飼うと長生きする』という内容の論文も発表されています。独り暮らしの人を対象にした研究ですが、犬を飼っていると心臓疾患による死亡リスクが33%も低下し、脳卒中では27%、全死亡率は24%低下すると書かれています。2017年の論文では、持病の有無にかかわらず全死亡率を33%下げるという結果もある」 犬を散歩させることで、飼い主の運動不足が解消され、生活リズムが規則正しくなる側面もあるという。 40年間にわたって、代々白のトイプードルを飼い続けてきたジャーナリストの大谷昭宏氏は、愛犬によって心身の健康が保たれたと告白する。「仕事柄、凄惨な事件なんかを取材することも多いので、気持ちも殺伐としちゃうんです。家に帰ってきてワンちゃんに出迎えてもらうと本当に癒された。ドアを開けると“お帰り”って飛んでくる。あの瞬間に、どれだけ救われたかわかりません。猫だとそうはいかないでしょう」 大谷氏のような、事件記者だけでなく、警察官や政治家など、緊張感の続く職業は愛犬家が多いと言われる。 ロシアのプーチン大統領は大の犬好きで、秋田県知事から贈られた秋田犬と、カラカハンドッグを飼っている。過去には吉田茂元首相も大の犬好きで知られ、サンフランシスコ平和条約の署名に訪れたアメリカで、つがいのヨークシャテリアを購入し、「サン」「フラン」と名付けたとの逸話がある。 また、ヒトラーもドイツ国産のジャーマン・シェパード・ドッグを可愛がっていたことで有名だ。殺伐とした世界を生き抜くには、犬の忠実さと癒しを求めたくなるのかもしれない。◆猫の経済効果(ネコノミクス)が国を救う「セラピー効果」について猫派も譲るはずがない。東京大学大学院教授で、無類の猫好きの社会学者・赤川学氏が語る。「愛猫の存在に、どれだけ救われてきたか。初めて飼った猫が、夜、布団の中に入ってきてくれた日のことはいまでも忘れられない。その当時、妻の帰りが遅く、私はいつも家に一人。そんな時、ずっと愛猫に話しかけていました。ある意味で『愛人』だったんです。彼女がいなければ、私は孤独に耐えられなかったかもしれない。猫ほど心の癒やしになる動物はいないと思います」 古くは清少納言、夏目漱石からタモリ、宇多田ヒカルに至るまで猫好きの有名人には感性豊かな人が多い。赤川氏はさらに、猫が寄与するのは人の健康だけではないと主張する。「国の経済まで救っています。猫は飼い主の負担が軽く、単身者でも共働きでも、体力的に犬の散歩が負担になる高齢者でも飼いやすい。そうして近年、猫の飼育数が増加していった結果起きたのが、『ネコノミクス』です」 CMや写真集、SNSで猫がもてはやされ、そうした猫ブームによる経済効果は、年間2兆円とも言われている。「『イヌノミクス』とはついぞ聞かなかった言葉でしょう。インスタも漫画も、最近は猫ばかり。写真でも絵でも、猫は“映える”んです。まぁ、飼育数やSNSなど小難しい分析はさておき、猫の方が単純に可愛いということが、ネコノミクスの最大の要因だと思いますよ」 かようにどこまでも相いれない犬猫論争。飼い主たちの愛情あふれる大激論も、ペットにとっては「犬に念仏、猫に経」かもしれないけれど……。※週刊ポスト2019年11月22日号
2019.11.16 16:00
週刊ポスト
黒澤明の兄を巡る告白と隠蔽の物語【平山周吉氏書評】
黒澤明の兄を巡る告白と隠蔽の物語【平山周吉氏書評】
【書評】『黒澤明の羅生門 フィルムに籠めた告白と鎮魂』/ポール・アンドラ・著/北村匡平・訳/新潮社/2500円+税【評者】平山周吉(雑文家)「敗戦国を覆っていた恥辱の障壁を打ち破」る報道が日本にもたらされたのは昭和二十六年(一九五一)九月だった、と本書『黒澤明の羅生門』はオープニングに記している。映画『羅生門』のヴェネチアでのグランプリ受賞である。吉田茂首相がサンフランシスコで講和条約を締結した直後、「独立」への胎動を告げるビッグ・ニュースとなった。「世界のクロサワ」の出発点となった名画を読み解く著者ポール・アンドラは、コロンビア大学の日本文学教授として、有島武郎、小林秀雄などを研究してきた。シェイクスピア、ドストエフスキー、芥川龍之介に挑んできた「永遠の文学青年」でもある黒澤監督を、本書は日本文学の伝統の中に位置づける。映画と文学という二つの領域をまたぎ、近代文化史の拡がりの中で映像を凝視する。 黒澤のモノクロ映像の中から、著者は「消失した都市、喪失した兄、そして黒澤の象徴的映画に潜む声」(本書の原題のサブタイトル)を取り出してくる。シナリオにも絵コンテにも描かれないが、そこには黒澤に最も大きな影響を与えた四歳上の兄がいつも写り込んでいると指摘する。 黒澤にサイレント映画とロシア文学の魅力を教えた兄・丙午は、須田貞明と名乗る無声映画の人気弁士だった。二十七歳で自殺(心中)した兄をよく知る徳川夢声は黒澤に向かって、「君は、兄さんとそっくりだな。でも、兄さんはネガで君はポジだね」と言った。 映画『羅生門』が芥川の二つの小説「羅生門」と「藪の中」を原作としていることは有名である。著者はもう一篇の芥川作品を考察に加える。やはり十二世紀末の京都を舞台にした「偸盗(ちゅうとう)」である。「偸盗」こそは、「二人の兄弟と野良犬の話」であり、『羅生門』で志村喬が赤子を育てるラストシーンを引き出してくるというのだ。兄をめぐる告白と隠蔽の物語として黒澤映画を再考し、「語り」という日本文学史の失われた伝統をも想起させる。豊かな示唆を与えてくれる本である。※週刊ポスト2019年8月2日号
2019.07.28 16:00
週刊ポスト
二階俊博氏、叩き上げの庶民派扱いだが庶民の現実に疎い
二階俊博氏、叩き上げの庶民派扱いだが庶民の現実に疎い
 資産家の政治家でも、庶民の生活実感、年金不足への危機感を感じ取ることができるなら、国民は政治に期待を託すことができる。だが、住居費も交通費も税金で賄われ、飲み代は政治資金、金銭感覚が完全に麻痺した政治家たちに、国民の痛みは分かるまい。 いわゆる“老後資金2000万円不足問題”で、「年金がいくらとか自分の生活では心配したことありません」と言い切った麻生太郎氏。「福岡の炭鉱王」の御曹司として育ち、祖父は吉田茂・元首相。若い頃からカネに不自由したことはなく、学習院大学時代にはクレー射撃で当時の大卒初任給の4年分にあたる100万円を年間の弾丸代で使っていたと自慢げに語っている。 また、安倍首相も岸信介・元首相を祖父に持ち、経済的に恵まれた家庭で育った。成蹊大学時代は赤いアルファロメオを乗り回していたという。 世襲議員が多い政府・与党幹部の中で“叩き上げの庶民派”と見られがちな二階俊博・自民党幹事長も庶民の現実が見えていない。「食べるのに困るような家はないんですよ。今、『今晩、飯を炊くのにお米が用意できない』という家は日本中にはないんですよ。だから、こんな素晴らしいというか、幸せな国はない」 昨年6月の講演でそう語ったが、現実には日本の子供の「7人に1人」が貧困状態にあり、生活保護を打ち切られて「おにぎり食いたい」と書き残して死んだ北九州市の事件をはじめ、毎年、少なからぬ餓死者が出ている。 老後資産2000万円に足りない年金生活の高齢者たちが“明日は我が身”と危機感を募らせ、生活を切り詰めていることを実感していない。 それもそのはずで、国会議員は宿舎や国会の事務所から、地元を往復する飛行機代、新幹線代まで税金で賄われ、飲食費は政治資金(原資は政党助成金)を使う。麻生氏は高齢者の30年間の年金不足額と同じ約2000万円をわずか1年間(2017年)の飲み代として政治資金から支払っていた。 お坊ちゃん世襲議員といえば、石原慎太郎・元東京都知事の三男で元内閣府副大臣の宏高氏は今年初めのネット番組で「石原家の懐事情」をこう明かした。「(お年玉は)怒られちゃうくらいもらっていたかも。叔父さん(故・石原裕次郎)は、お正月はハワイの別荘に行っちゃって会えない。だから、クリスマスに叔父さんのところに兄弟みんなで行って、たんまりと。(金額は)“両手”で」 子供時代に何不自由なく育ち、議員になってからは政治資金で飲み食い。「税金の味」を覚えた政治家たちは、かくて金銭感覚を麻痺させていく。※週刊ポスト2019年7月5日号
2019.06.26 07:00
週刊ポスト
「年金には関心がない」と言い切った麻生氏の金銭感覚のズレ
「年金には関心がない」と言い切った麻生氏の金銭感覚のズレ
「政治家は清貧たれ」とはいわない。たとえ資産家の政治家でも、庶民の生活実感、年金不足への危機感を感じ取ることができるなら、国民は政治に期待を託すことができる。 だが、住居費も交通費も税金で賄われ、飲み代は政治資金、金銭感覚が完全に麻痺した政治家たちに、国民の痛みは分かるまい。「とてつもない金持ちに生まれた人間の苦しみなんて、普通の人には分からんだろうな」──かつてそう語ったとされる麻生太郎氏(78)。「福岡の炭鉱王」の御曹司として育ち、祖父は吉田茂・元首相。若い頃からカネに不自由したことはなく、学習院大学時代にはクレー射撃で当時の大卒初任給の4年分にあたる100万円を年間の弾丸代で使っていたと自慢げに語っている。 国会でも、「ホテルのバーは安くて安全」「(カップ麺は)最初に出たとき、えらく安かったと思うが、いまは400円ぐらいします?」など、世間とはズレた数々の言葉を残している。 総理時代に学生との居酒屋懇談で出た料理を「ホッケの煮つけとか、そんなもんでした」と言って青森選出の大島理森・現衆院議長に「ホッケに煮付けはない。焼くしかないんです」と突っ込まれたこともあった。 その麻生氏は今回の老後資金2000万円不足問題で、こう言ってのけた。「年金がいくらとか自分の生活では心配したことありません」 まぁ、そうなのだろう。だが、政府が年金改革を始めるというときに、副総理が“オレは年金なんていらねーよ”といえば、国民は「こんな政治家に任せていいのか」と不安になる。経済ジャーナリスト・荻原博子氏が語る。「いま庶民にとって一番の関心事は年金がもらえるかどうかです。年金だけでは老後資金が2000万円足りないと聞かされて、一層日々の生活を切り詰め、節約に節約を重ねている。 お金持ちの麻生さんの金銭感覚が庶民と違っているのはかまわないが、政治家に必要なのは国民が何を求めているかを感じ取る力。それが政治家に求められる『金銭感覚』だと思う。しかし、“オレは年金には関心がない”と言い切ったことで庶民の実情を汲み取る感受性が全くないことがわかった」※週刊ポスト2019年7月5日号
2019.06.25 07:00
週刊ポスト
【著者に訊け】泉麻人氏『冗談音楽の怪人・三木鶏郎』
【著者に訊け】泉麻人氏『冗談音楽の怪人・三木鶏郎』
【著者に訊け】泉麻人氏/『冗談音楽の怪人・三木鶏郎 ラジオとCMソングの戦後史』/1500円+税/新潮社 いかにも東京っ子らしい感性や諧謔味。鬱屈に浸ることを良しとしない一回転した明るさ等々、書く人と書かれる人の間に親和性を感じさせる1冊だ。 泉麻人著『冗談音楽の怪人・三木鶏郎』は、三木や著者にとっても初の評伝。終戦まもない1946年、三木は自作の曲「南の風が消えちゃった」をGHQ管轄下のNHKに持ち込み、数日後には番組を任されることに。洒落た音楽と諷刺劇で話題をさらった『歌の新聞』や、『日曜娯楽版』の名物コーナー『冗談音楽』(1947年~)、また草創期のCMやアニメ主題歌も多数手がけた彼は、日本のポップカルチャーの元祖中の元祖でもあった。 その曲調は総じて明るく、ポップそのもの。それこそ〈私はこの誰もいない、なにもない焼け跡の雰囲気を馬鹿に明るく感じた〉と自著に書いた彼を、泉氏は敬愛をこめて〈トリロー〉と呼ぶ。 1956年生まれの泉氏にとって1914年生まれの三木鶏郎、本名・繁田裕司の初期作品は、必ずしも懐かしい対象ではない。「僕自身のトリロー体験は1963年の『鉄人28号』の主題歌からですからね。それが大学の広告サークルに入った後に、♪ジンジン仁丹~とか、弘田三枝子の♪アスパラでやりぬこう~とか、無意識に歌ってきた音楽と作者が一致しました。最近は自分が生まれる前の昭和20年代くらいまで興味の幅が広がりつつあるんです。 特にNHKのラジオしかない時代に時事風刺をやる娯楽番組があったことは、戦後史として見おとせない。現に『フラフラ節』であの吉田茂を散々おちょくった彼らは当局に睨まれ、『冗談音楽』は1952年に一度打ち切りになるのですが、すぐにタイトルを変えて復活するほど人気もあった。 学生時代の永六輔や川上弘美さんのお父さまが熱心に番組を聞いてコントを投稿していた。また、トリローの元秘書は野坂昭如で、門下生には、伊藤アキラ、いずみたく、短期間ながら五木寛之もいる。役者としても中村メイコに楠トシエ、河井坊茶や三木のり平、有島一郎や左とん平まで、錚々たる人材を輩出しているのも、トリローグループのスゴイところなんです」 復員早々、楽団を組んでキャンプを回り、ミッキーマウスと音楽用語のトリルから芸名を取った三木は、日本橋城東小学校から暁星学園、旧制浦和高から東京帝大法学部に進んだ秀才。弁護士の父は彼に16ミリカメラや楽器を買い与え、よく日本橋のフランス料理店にも連れ立ったと自著にある。その際、前菜共々堪能したクラシックの生演奏を彼は〈アスパラガスの音楽〉と名付け、生涯自らの音楽の原風景とするのである。 泉氏は日本橋・村井銀行の地下にあったというその店を古地図に探し、現地を歩いた結果、それが東洋軒の支店であると特定。古い映画に偶然映り込んだビルのテナント名や新聞の縮刷版に載ったコラム記事から過去への推理を膨らませるなど、寄り道こそを強みにする歴史探偵ぶりが楽しい。「天皇の料理番・秋山徳蔵も料理長を務めた東洋軒の支店で、トリローは好物のアスパラやフルコースに舌鼓を打つ、お坊ちゃまだったわけです。明治の煙草王・村井吉兵衛が専売制導入後に銀行を創業し、東洋軒を誘致したことが彼を音楽の道に導くのも何かの因縁でしょう。陸軍の同期に東急の五島昇がいたり、人脈や地縁をあれこれ推理しながらトリローゆかりの町を歩くのも、散歩好きにはたまらないんです。 トリロー売り出し中の頃に、上の世代の井伏鱒二や内田百間と鼎談して〈アプレゲール〉呼ばわりされるエピソードがあるのですが、そんな一件にふれながら、僕が80年代の頃に『新人類』として野坂昭如さんの対談に呼ばれていじられたことをふと思い出しました」◆地を見せない東京の音楽人『冗談音楽』から生まれたヒット曲「僕は特急の機関士で」や、♪キリンレモン、♪クシャミ三回ルル三錠といったCM。ディズニー作品の日本語版や『トムとジェリー』の主題歌も手がけた三木の仕事はそのまま、現代に繋がっているという。「僕が子供の頃好きだったクレージーキャッツのコント番組なんかもトリローのラジオ番組の構成が原点なんじゃないかな。コミックソングも含めて、そういう日本流ポップの源流を知る面白さもあった。 ソフトばかりでなく、ハードな機械にも明るいトリローは、東京通信工業時代のソニー・盛田昭夫&井深大コンビと『下町ロケット』的なノリで意気投合したり、小林一三に目をかけられて宝塚のショー演出を任されそうになったり、人脈の幅も広い。晩年は糖尿病もあってハワイの別荘で悠々自適に暮らし、かと思うとその闘病生活自体を趣味にしてみたり、一言で言えば掴みどころがない人ですね」 かつて焼け野原に明るさを感じたと書いた三木に、変化を恐れず、むしろ楽しむ東京人として、泉氏はシンパシーを覚えるという。「『南の風……』にしても、戦後の虚無感を歌いながら、曲調はメジャーなんですよ。それを市ヶ谷の堀端に建てた自称〈トリ小屋〉で書き、30代でデビューした彼は、今回取材した方々にも酔ってくだを巻いたりする姿は一切見せなかったらしく、どこまでも上品で洒落てて、地を見せない、東京の音楽人だったんだと思います」 洒落る。茶化す。笑いには必ず毒をまぶす。そんなポップで粋な人生の作法を、ぜひ令和にも引き継ぎたい。【プロフィール】いずみ・あさと/1956年東京生まれ。慶應義塾中・高、同大商学部を卒業後、東京ニュース通信社入社。『週刊TVガイド』編集部等を経てコラムニストに。著書に『ナウのしくみ』『東京23区物語』『B級ニュース図鑑』『けっこう凄い人』『お天気おじさんへの道』『東京ふつうの喫茶店』『東京考現学図鑑』『大東京23区散歩』『僕とニュー・ミュージックの時代』等。来年は1964年に関する新刊を予定。「東京五輪本というより、その時代の個人的社会史です」。173cm、65kg、O型。構成■橋本紀子 撮影■三島正※週刊ポスト2019年6月28日号冗談音楽の怪人・三木鶏郎 :ラジオとCMソングの戦後史 (新潮選書)
2019.06.22 16:00
週刊ポスト
新元号を発表する菅義偉官房長官(時事通信フォト)
「菅義偉内閣」の閣僚名簿が出回っている!
 新元号発表という「歴史的な瞬間」を国民に届け、スポットライトを浴びた菅義偉・官房長官。いつも会見で見せているポーカーフェイスが一転、元号発表当日は朝から高揚感を隠しきれない様子だった。「新時代の到来」は、菅氏、そしてそれを取り巻く永田町にも“ある変化”をもたらしていた──。 菅氏は「総理を目指さない政治家」と言われ、これまで一度も政権への意欲を見せたことはない。『総理の影―菅義偉の正体』(小学館刊)の著書があるノンフィクション作家の森功氏が語る。「菅という政治家は風貌は地味で表舞台に立って政治を行なうことが上手ではない。安倍(晋三)首相のような明るさもない。本人もそのことをよく自覚している。むしろ実務家として官僚を動かすタイプで、政権を支える官房長官を天職だと考えている。政治家になった以上、総理への野心が全くないとは思わないが、非常に慎重な人だから、今も総理・総裁を目指して動くことは考えていないと思う」 近い人物ほど同じ見方をする。 菅氏が「影の総理」と呼ばれる力を持ったのは、安倍首相が時に衝突しながらも、“野心”のない菅氏に内政を任せてきたからだ。政権の看板である成長戦略は菅氏の政策と言っていい。「財界の要請で外国人労働者受け入れへと国の基本方針を転換したのは菅さんの判断。観光立国のためにビザ発給要件を大幅に緩和したし、水道法改正なども主導した。携帯料金の値下げが決まったのも菅さんの鶴の一声だった」(内閣官房の中堅官僚) 新元号発表についても保守派の猛反対を押し切って新天皇即位の1か月前に発表する剛腕を見せつけた。◆「偉駄天の会」を結成 人事権も握っている。内閣改造の際、大臣は安倍首相が選ぶが、各派閥へのポスト配分が必要な副大臣、政務官の人選は菅氏が中心に調整するとされる。そこで無派閥議員が不利にならないよう配分してきた。菅氏は地元・神奈川新聞のインタビューでこう語っている。〈派閥をつくる気はない。無派閥で当選4回以下の衆院議員に、政治家として歩んできたことをアドバイスしている。派閥に所属しなければ役職に就けないといったことをなくしていこうと。党全体を見て必要な人は応援していくということだ〉(2018年8月12日付) しかし、官房長官として実績を積み上げた菅氏は党内で「次の総理の最有力候補」と見られるようになり、周囲に人が集まってきた。 派閥の役割はポストの配分だ。菅氏がいくら「派閥をつくる気はない」と言っても、ポストで世話になれば、菅氏を「親分」と頼りにする議員が増える。党内には無派閥議員を中心に菅氏を囲むグループが次々に生まれている。「偉駄天の会」はインドの神・韋駄天の韋の字を菅義偉の「偉」に変えた派閥横断的なグループで、その中で当選4回以下の無派閥の若手議員たちの集まりが韋駄天の兄弟・歓喜天(別名ガネーシャ)の名前を取った「ガネーシャの会」。菅側近の梶山弘志・前地方創生相、小此木八郎・前防災相らの「無派閥有志の会」もある。その数を合わせると無派閥議員約70人のうち30人とも50人ともいわれる。 昨年の自民党総裁選では、菅氏自らそうした無派閥議員たちと安倍首相の食事会をセットし、安倍支持票を取りまとめた。ポストを配り、総裁選で一糸乱れずに動く。派閥そのものである。“菅派”議員の1人が匿名を条件に語る。「われわれが表だって菅さんを次の総理にと動けば菅さんに迷惑をかける。仲間はその時まで声を上げないようにしようと申し合わせている。もちろん、安倍政治を引き継げるのは実力的に菅さんしかいないという思いはみんな同じです」 そうした「待望論」が菅氏の背中を押している。◆「菅学校」で大臣を養成「正真正銘3期目が最後の任期となります」 安倍首相は日本商工会議所の総会で、総裁4選論を強く否定した。 それでも絶対ないとは言えないが、「安倍4選がなければ次は菅」と先物買いに走る動きが相次ぎ、早くも菅内閣の大臣の顔ぶれを予想した「閣僚名簿」まで流れている。そこには自薦他薦、自民党の次世代のホープから中堅議員までの名前が並んでいる。筆頭格で登場するのは菅氏が目をかける、地盤(神奈川)を共にするこの2人だ。〈次のリーダーは、とりわけ河野太郎外相と小泉進次郎氏には期待している。当選同期の河野氏は非常に胆力があり、当初から「総理大臣になりたい」と言っていた。今、外務大臣として水を得た魚のように活躍している。小泉氏は若くして注目され、党の農林部会長としてもしっかり役目を果たした〉(神奈川新聞2018年8月12日付) 河野氏は麻生派の後継者候補だが、外相に起用されたのは菅氏の強い推薦があったからとされる。安倍首相とは距離を置く自民党のホープ・進次郎氏も山梨知事選、沖縄知事選など菅氏が応援に入る先に同行して“忠臣”ぶりを発揮している。 菅氏の腹心といわれるのが梶山氏と小此木氏だ。梶山氏の父・静六氏は菅氏の「政治の師」であり、小此木氏の父も菅氏が長年秘書として仕えた恩人だ。菅氏は2人を前回の内閣改造で入閣させ、“恩返し”した。 女性議員で菅氏の“側近”とされるのは沖縄補選に出馬する島尻安伊子・元沖縄担当相、三原じゅん子・参院議員だ。三原氏は菅氏の選挙応援行脚に影のように従う。かつて菅氏が所属していた竹下派からは、小渕優子・元経産相が入閣候補にあがっている。「菅さんは竹下派の顧問格で“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄氏に参院の運営について相談している。その青木氏は小渕氏を派閥の後継者としてとくに目を掛けているから、菅内閣となれば小渕氏は党3役や大臣で復権する可能性が高い」(竹下派議員) 候補者は二階派の林幹雄氏らなど他派閥にも及び、さらにサプライズ人事として“盟友”橋下徹氏の民間登用を期待する声もある。 こうみると“菅内閣の閣僚名簿”のコンセプトは「世代交代」とも読める。将来の総理候補を大臣にズラリと並べて養成し、自分がやめるときに直接バトンを渡す。かつて吉田茂・首相が佐藤栄作氏、池田勇人氏ら若手を大抜擢して「吉田学校」と呼ばれたように、菅政権はいわば「菅学校」の性格を帯びる。 その時には、安倍首相も二階俊博氏も麻生太郎氏も、石破茂氏、岸田文雄氏、野田聖子氏ら「中二階」組も“過去の人”になる。政界の“代替わり”は水面下で進み始めている──。※週刊ポスト2019年4月19日号
2019.04.09 11:00
週刊ポスト
亡くなる前日、救急車がマンションに……
ショーケン『いだてん』打合せでクドカン脚本を絶賛していた
 歌手や俳優として活躍したショーケンこと萩原健一さん(享年68)の逝去の報は、芸能界に大きな衝撃を与えた。昨秋、NHKで放送されたドラマ『不惑のスクラム』で共演した夏木マリ(66)はインスタグラムで〈この撮影が終わったら、入院するんだよとおっしゃっていたのを思い出します。炎天下の屋上で集中されていた姿は70年代に私が憧れていたショーケンに優しさも加わって素敵だなと見惚れておりました。平成の最期に逝くんですね。悲しいです〉と哀悼の意を表した。 晩年のショーケンはNHKと関係が良好だった。2015年1月にNHKのBSプレミアムで放送された『鴨川食堂』で12年ぶりにドラマ出演。さらに、2018年3月放送のNHKドラマ『どこにもない国』にも出演、吉田茂・元首相役を演じた。そして件の『不惑のスクラム』と続き、現在放送中の大河ドラマ『いだてん』にも高橋是清役で出演することが明らかになった。NHK関係者が明かす。「昨秋、大河の目玉キャストを決める際に、ショーケンさんの名前があがりました。大河は過去に『太平記』(1991年放送)や『元禄繚乱』(1999年)、『利家とまつ』(2002年)に出演経験があるものの、それ以後は不祥事で活動休止の時期もあり、トラブルのイメージがつきまとっていた。長丁場の撮影となる大河ドラマのキャスティングは、トラブルメーカーを嫌う傾向にありますが、昨今のショーケンさんのNHKへの貢献度を考えて、出演オファーを出したそうです」 その打ち合わせ会場は意外な場所だった。「御本人と連絡をとったところ“話が聞きたい。今すぐ自宅に来てくれ”と。打ち合わせといえばテレビ局や所属事務所の会議室で行うのが普通ですが……ご自宅で宮藤官九郎さんの脚本を読み、“おもしろい!”と快諾してくれたそうです。“最近はあまり外を出歩いていないから”と、スタッフを自宅に呼んだそうですが、この頃から体調は良くなかったのでしょう」(同前) 俳優業に勤しんだ晩年。大河ドラマが集大成となった。
2019.03.29 16:00
NEWSポストセブン
【日本株週間見通し】日経平均は21000円を挟んだもみあいか
【日本株週間見通し】日経平均は21000円を挟んだもみあいか
 投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月12日~2月15日の動きを振り返りつつ、2月18日~2月22日の相場見通しを解説する。 * * * 先週の日経平均は上昇し昨年12月18日以来となる終値ベースでの21000円台を回復する場面があった。週間ベースでは2週ぶりのプラス転換となった。3連休明けとなった12日の日経平均は前日比531.04円高と3営業日ぶりに急反発をみた。NYダウは11日にかけて政府機関閉鎖への懸念や米中高官協議の再開を受けて様子見ムードが強く4日続落となったものの、為替市場では1ドル=110円台半ばまで円安が進み先物主導で上げ幅を広げる展開となった。春節(旧正月)による連休明けの上海総合指数が堅調だったこともプラス材料として働いた。 13日も日経平均は続伸し朝方寄り付きで21000円台を回復した。米与野党が連邦政府の新予算案で基本合意し、政府機関の閉鎖回避への期待が広がったことなどからNYダウが5日ぶりに反発したことを東京市場も好感して、日経平均は21213.74円(前日比349.53円高)まで上昇する場面があった。 しかし、14日の日経平均は伸び悩んで3日ぶりに小反落に転じた。トランプ大統領が米中交渉の期限延長に言及しNYダウは続伸したほか、1月の米消費者物価コア指数が市場予想を上振れたことを材料に為替相場で1ドル=111円を回復する円安場面があって買い先行で始まった。しかし、前日の約2カ月ぶりとなる21000円台回復による目標達成感から寄り付き後は買いの手が鈍って失速した。15日は、米国の12月小売売上高が9年ぶりの大幅減少となったほか、トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設のため非常事態宣言に踏み切る方針と伝わりNYダウが3日ぶりに反落、東京市場でも売りが先行し、日経平均は21000円を割り込んだ。 今週の日経平均は21000円をはさんだもみあい商状となりそうだ。1ドル=110円への円安とNYダウの切り返しをきっかけとして、日経平均は今週に21000円を回復した。しかし、日米ともに企業の決算発表シーズンを終えて全般的に手掛かり材料に欠ける展開となってきており、一段の上値追いに向かうエネルギーが乏しい。引き続き、為替相場や米中の株価動向に影響を受けやすい展開となることが予想される。 12月小売売上高が9年ぶりの大幅減少となったことで、米国経済の減速懸念が再燃する中、米2月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数や米1月CB景気先行総合指数など21日に集中する米国の経済指標には警戒感が台頭しやすくなる。さらに、3月1日の対中関税引き上げ期限の延期も報道される中、米中貿易問題はカウントダウンのタイミングに入り、市場は一段と神経質な展開となってこよう。 テクニカル的に日経平均は、上昇に転じている5日移動平均線と25日移動平均線上で推移する中、13日、14日と取引時間中では下降中の75日移動平均線を上回る場面もあったが、終値では抜け切れずに、その後週末にかけて失速した。目先は75日線が上値を抑える形となっている。一方、2月末と3月末を控えて、配当を始めとする各種権利取り確保の買いから、突っ込みどころでは買い需要も高まりやすくなってくる。高配当利回りの銘柄には関心が向かいやすくなる。このほか、2月以降にネットイヤー、デサント、カブドットコム証券、ベリサーブ、ユーシンなど株式公開買付けの発表が相次いでいることも注目すべき動きとなっている。 今週の主な国内経済関連スケジュールは、18日に12月機械受注、19日に1月首都圏新規マンション発売、20日に1月貿易収支、1月コンビニエンスストア売上高、1月訪日外客数、21日に12月全産業活動指数、22日に1月消費者物価指数、清田瞭日本取引所グループCEO会見、今年第1号IPOとなる識学のマザーズ上場が予定されている。 一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、18日に米ワシントン誕生記念日で休場、19日に米2月NAHB住宅市場指数、20日は1月29日・30日開催のFOMC議事録、21日は米2月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米12月耐久財受注、米1月中古住宅販売件数、米1月CB景気先行総合指数、22日は1月ユーロ圏の消費者物価指数がそれぞれ予定されている。 このほか、国内外で予定されているイベント・トピックスとしては、20日は東京都議会定例会開会、22日は惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」に着陸予定、23日は安倍晋三首相の通算在職期間2617日(吉田茂元首相を抜き歴代4位に)、皇太子さま誕生日(59歳)、24日は第91回米アカデミー賞授賞式(ロサンゼルス)、EU・アラブ連盟首脳会議(25日まで、エジプト)、天皇陛下在位30年記念式典、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の賛否を問う県民投票がある。
2019.02.17 08:00
マネーポストWEB
北方領土に留まらない、拉致・改憲の目標下方修正する首相
北方領土に留まらない、拉致・改憲の目標下方修正する首相
 総裁選3選を果たした安倍晋三・首相の在職日数は、このままいけば来年のうちに吉田茂・元首相や佐藤栄作・元首相を抜いて歴代1位となる。だが、過去の長期政権が打ち立てた「サンフランシスコ平和条約(1951年、吉田茂内閣)」や「沖縄返還(1972年、佐藤栄作内閣)」といった、日本史の教科書に記されるほどの“偉業”が、この政権にはない。 そこで“残り任期のうちに”とギアを上げたのが北方領土の返還交渉なのだが、4島一括返還ではなく「2島返還でもいい」とロシアのプーチン大統領に申し入れた。妥協とはいえ、在任中に北方領土が返還される道筋をつくった。 安倍首相は、北方領土返還を含む「日ロ平和条約の締結」「拉致問題の解決」「最終的に『国防軍』創設の憲法改正」という3大公約のうち、残る2つの「拉致問題解決」と「憲法改正」についても在任中の実現を国民に約束した。「私の内閣のうちに拉致被害者全員を帰国させる」「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍首相にとって、旧ソ連に不法占拠されたままの北方領土も、北朝鮮工作員によって国民が国内から連れ去られた拉致問題も、根っこは同じ。真の「独立の回復」がなされていないからだという。〈日本国民の生命と財産及び日本の領土は、日本国政府が自らの手で守るという明確な意識のないまま、問題を先送りにし、経済的豊かさを享受してきたツケではないでしょうか〉(著書『新しい国へ』) それを脱却するには〈憲法の改正こそが、『独立の回復』の象徴であり、具体的な手立て〉(前掲書)という改憲論に結びついている。 だが、憲法改正も「合格ライン」がどんどん下げられている。首相は、現憲法は占領下にGHQに押し付けられたものだという「押し付け憲法論」に立ち、新憲法制定=抜本改正論を唱えてきた。 ところが、昨年5月に読売新聞紙上で発表した首相の改憲私案は、憲法9条を残し、「自衛隊」の保有を盛り込んだ条文を追加するという、いわゆる加憲案だった。自民党改憲派からは「9条改正に慎重な公明党の賛成を取り付けやすくするために大胆な妥協を図った」と受け止められている。◆金正恩が首を縦に振るなら… 拉致問題でも、「被害者全員帰国」という安倍首相のスタンスに変化があった。北朝鮮問題に詳しい伊豆見元・東京国際大学教授が指摘する。「安倍首相は今国会の所信表明演説の中で、『拉致、核ミサイル問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化をめざす』と語った。“不幸な過去の清算”というのは経済支援のことで、北にすれば非常に魅力的な発言ですが、安倍首相はこの言葉をずっと使わなかった」 北朝鮮側は日本政府にひそかに「拉致被害者2人の存在」を伝えている。今年3月に共同通信が2014年の日朝交渉の際、北朝鮮側から政府認定拉致被害者の田中実さんと特定失踪者の金田龍光さんが「入国していた」との情報が伝えられたことを、実名をあげて報じた。 北朝鮮側は米朝首脳会談(6月12日)前後に行なわれた日朝の接触で、その2人以外に「新たな入国者はいない」との説明を変えていないと報じられている(7月21日付、共同通信47NEWS)。北は「帰国させるとしても2人で終わり」という姿勢なのだ。 それにもかかわらず、安倍首相が所信表明で「不幸な過去の清算」に言及したのはなぜか。金正恩との首脳会談に乗り遅れた安倍首相が、拉致被害者「全員帰国」の目標を、とりあえず「2人帰国」から始めるという外交的妥協に傾いたからではないか。 それは「4島返還」がとりあえず「2島返還」になった北方領土交渉と同じ構図に見える。歴史に名を残すことを焦るあまり、「合格ライン」を下げていくことは、国家を大きな危険に晒す。「安倍首相に残された任期は、“もう3年を切った”と考えなくてはならない。国内外の問題・論争を解決して、ロシアと平和条約を結ぶためには、長いとはいえない時間だ。日中国交正常化合意から平和条約締結までは6年かかったし、北朝鮮との国交正常化交渉開始が盛り込まれた平壌宣言からは16年が過ぎたが、交渉の道筋すら見えない。本来、『国交回復』にはそれだけの時間がかかる。日本側にだけ“タイムリミット”がある状態で交渉すれば、相手に足下を見られてしまう」(自民党長老議員) 国家の根幹をなす「領土」を巡って妥協する姿勢を見せれば、竹島を不法占拠する韓国や尖閣諸島への野心を隠さない中国にまで“日本は与しやすい”という印象を植え付ける。そうなれば、将来の日本にとって悪影響になりかねない。「歴代最長の安倍政権は“負のレガシー”(政治的遺産)しか残さなかった」という歴史の刻まれ方をする危険も孕みつつ、任期は日々少なくなっている。※週刊ポスト2018年12月7日号
2018.11.29 07:00
週刊ポスト
「北方領土は2島で」 安倍首相は歴史に名を残したいだけか
「北方領土は2島で」 安倍首相は歴史に名を残したいだけか
 歴史上、戦争で領土を拡大した君主や政治家は数多いが、敗戦で奪われた領土を武力によらずに奪還した政治家はほとんどいない。それほど領土交渉は難しい。「領土問題を解決して平和条約を締結する。私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つ」 日露首脳会談後の記者会見で、安倍首相は突然、「今後3年以内の平和条約締結」を表明。在任中に北方領土返還を実現させることができれば、歴史に名を残すことができるだろう。そのために持論を曲げる道を選んだ。「北方領土問題は4島一括返還が基本的な考え方。残念ながらロシア側に法的根拠に基づかない形で支配されている」 安倍首相は政権に返り咲いた直後(2012年12月30日)、TBSの報道番組でそう言明していた。 ところが、首相がプーチン大統領との交渉の基礎とするとした日ソ共同宣言(1956年)は、「平和条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡しする」という合意で、いわゆる「2島返還」が前提となる。安全保障研究者で笹川平和財団上席研究員の渡部恒雄氏が語る。「ロシアは歴史的に東方への領土拡大を続けてきた。手に入れた領土は手放そうとしない。プーチン政権の後はロシアの政治が混乱すると見られているから、安倍首相はプーチンが大統領のうちが領土返還交渉をまとめる最後のチャンスと判断したのでしょうが、難しいのはむしろ日本の国内世論をまとめることです。無理して平和条約を結んでも、2島返還には世論の激しい反発が予想されます」 なぜ、方針を転換してまで平和条約締結を急ぐのか。浮かび上がるのが「安倍ノート」の存在だ。 安倍氏は自民党が下野していた時代に内政や外交の取り組み方の反省や“どうすればよかったか”を大学ノート数冊に綴った。そして、2012年に首相に再登板すると、ノートの反省をもとに側近やブレーンの意見を取り入れて長期政権に向けた政治目標、外交課題をどんな順番でどのように進めていくかの「政権工程表」を練り上げた──永田町ではよく知られるエピソードである。◆吉田茂氏や佐藤栄作氏と並ぶ業績こそが… その重要な柱のひとつが「北方領土返還」だった。「日露平和条約の締結、拉致問題の解決、最終的には『国防軍』創設の憲法改正までを2期6年で道筋をつけるという目標が政権構想の3つの最重要事項だった」(安倍ブレーン) 実現すれば、講和条約で米軍による日本占領を終わらせた吉田茂・元首相や沖縄返還を成し遂げた大叔父の佐藤栄作・元首相らと肩を並べることができる。 北方領土返還は、安倍首相の祖父の岸信介・元首相、父の安倍晋太郎・元外相ら安倍家の“悲願”でもある。晋太郎氏が領袖だった時代の清和会担当記者を長く務めた政治ジャーナリストの野上忠興氏が語る。「日ソ関係は岸内閣時代にこじれた。岸首相が日米安保条約を改定して米軍基地を残したことにソ連が反発し、長い間、領土交渉は暗礁に乗り上げた。晋太郎さんは中曽根内閣の外相に就任すると『義父が残した外交課題をなんとしてもやりたい』と交渉再開に力を尽くした。病の身でソ連を訪問し、ゴルバチョフ大統領と会談して来日を実現させたときの様子は鬼気迫るものがありましたが、その1か月後に領土交渉の進展をみることなく膵臓がんで亡くなった。 秘書として訪ソにも同行した晋三氏は父の無念を間近で見てきただけに、日露平和条約を自分の手で締結して安倍家3代の課題に終止符を打つとともに、歴史に残るレガシー(政治的遺産)としたいという思いが非常に強い」 しかし、安倍首相は苦汁を味わってきた。第1次内閣時代は、何もできないまま退陣に追い込まれた。首相に再登板してからは、プーチン大統領と20回を超える首脳会談を重ねるも、進展はなかった。 自民党総裁任期の2期6年では実現できなかったのである。そこで、党則改正で総裁任期を「3期9年」まで延長したうえで3選されると、「4島一括返還」から「2島でもいい」とプーチン氏に申し入れた。 尻に火が付いた首相が残り任期の3年で領土返還というレガシーをつくるための“妥協”ではなかったか。※週刊ポスト2018年12月7日号
2018.11.26 07:00
週刊ポスト
箱根駅伝でもおなじみ、再開発で生まれ変わった「戸塚」の魅力
箱根駅伝でもおなじみ、再開発で生まれ変わった「戸塚」の魅力
 住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「戸塚(神奈川県横浜市)」について、ライターの金子則男氏が解説する。 * * * 気が付けば年の瀬はすぐ目の前。新たな年の幕開けを飾る一大イベントが箱根駅伝ですが、そこで連呼される地名が、今回取り上げる「戸塚」です。箱根駅伝では、“エース区間”と呼ばれる2区のランナーがタスキを運ぶのが戸塚中継所。戸塚駅からは少し離れていますが、街の名所といっても過言ではないでしょう。なお、40代以上の戸塚出身者に話を聞くと、ほぼ100%の確率で、「ヨットスクール?」と言われたことがあるそうですが、あちらの戸塚は人名で、こちらとは関係ありません。 鉄道はJRと横浜市営地下鉄の2社。JRは東海道線と横須賀線のほか、湘南新宿ラインも乗り入れており、渋谷、新宿、池袋、さらに北関東まで1本で行けるようになりました。横須賀線経由で成田空港や房総半島までも1本。東京駅や渋谷まではいずれも40分程度ですが、寝過ごすととんでもなく遠くまで行くことになります。 道路状況は、良いと捉えるか悪いと捉えるか、判断は分かれると思います。地図を見れば、駅のすぐ近くに国道1号線が通っており、横浜新道経由で横浜や都心方面へのアクセスも良く、便利なように思われます。しかし、国道1号や横浜新道は交通量が凄まじく、スムーズに走れるのは限られた時間だけです。 神奈川県の超有名渋滞スポットだった「原宿交差点」は、立体交差化によって状況はいくらか改善しましたし、かの吉田茂元首相がブチ切れたという伝説がある「戸塚大踏切」も2015年に地下化されましたが、いかんせん道路のキャパシティが交通量に追いついておらず、雨などが降ると絶望的な渋滞に巻き込まれることもあります。渋滞への耐性は確実に必要でしょう。◆一時期は東戸塚の勢いに押されていたが… そんな戸塚ですが、再開発工事によって西口駅前が大きく生まれ変わりました。以前は西口に、非常にレトロな商店街が広がっており、バスに乗るまでに駅から数分歩かされるとい不便な作りでしたが、50年来の再開発計画がようやく実現し、商業施設「トツカーナ」が誕生。レトロ商店街は風情があり、立ち退きを惜しむ声も少なくありませんでしたが、駅前の雰囲気は一新されました。一時は、隣駅の東戸塚の勢いに押され気味でしたが、かなり押し戻した印象です。 戸塚の魅力は、色々な面においてバランスが良いところだと思います。横浜へは1駅、東京や新橋、渋谷、新宿へも1本ですし、中華街、鎌倉、横須賀、湘南方面へも乗換なしで遊びに行けます。駅前で揃わないものはほとんどなく、それでいて駅から少し離れれば緑も多いですし、駅前には区役所もあります。過不足なく色々なものが揃っています。 家賃相場を見ると、ワンルーム・1K・1DKは6.68万円(ライフルホームズ調べ。11月9日時点)で、新築マンションの相場は70平米で4000万円台の半ば。べらぼうに安いわけではありませんが、頑張れば手が届かない額ではありません。鉄道の便が良いので、誰でも住みよい街ですが、湘南や鎌倉、三浦半島など、レジャーが楽しめる場所へのアクセスが良いので、インドア派よりもアウドドア派の方が、よりこの街を楽しめるのではないでしょうか。
2018.11.24 13:00
マネーポストWEB
「戦後歴代最低の総理大臣」調査、3位は鳩山由紀夫氏
「戦後歴代最低の総理大臣」調査、3位は鳩山由紀夫氏
 9月の自民党総裁選は、総理・総裁の資質、政権運営の是非を問う重要な機会になる──はずだったが、党内は早くも安倍首相の3選確実のムードで、そうした議論はまるで盛り上がっていない。しかし、ついに在任期間歴代最長の総理となる安倍晋三首相の評価は先人たちと比べてどうなのか──本誌は政治記者・評論家・学者52人に実名アンケートで「戦後歴代最低の総理大臣」を調査。“失格総理”の顔ぶれと評価基準からは、「宰相に求められる資質」が浮かび上がってきた。 アンケートはワースト3位まで選んでもらい、1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイントとして集計した。その結果、「日本をダメにした10人の総理大臣」は以下の順となった。1位:菅直人、2位:安倍晋三、3位:鳩山由紀夫、4位:宇野宗佑、5位:森喜朗、6位:麻生太郎、7位:小泉純一郎、8位:野田佳彦、9位:村山富市、10位:羽田孜。◆「歴代最低総理」の理由 総理大臣は在任期間が長いからといって「名宰相」とはいえない。総裁選に3選すれば歴代最長の総理10年が視野に入る安倍首相は、「歴代最低」の菅直人氏に僅差のワースト2位にランクインした。 安倍首相のどこが「日本をダメにした」と評価されたのか。元文部官僚の寺脇研・京都造形芸術大学教授の指摘だ。「三権分立を壊すという、とんでもない政治を行なっている。国会軽視、官僚は萎縮、そして政権に対するチェック機能を潰してきた。あげく、司法にも人事で介入する始末。第4の権力とも称されるマスコミにも、圧力を加えてナアナアの関係を築いた。つまり、戦後の立憲主義を破壊した」 断わっておくが、本誌(2017年1月13・20日号)が実施した現役・OB政治家による「歴代最高の宰相」調査では、安倍首相は吉田茂、中曽根康弘、田中角栄という名だたる宰相に次ぐ4位に食い込んでおり、その評価は功罪相半ばしているといえる。 それでも多くの識者が「最低の総理」と見る理由に挙げたのは、政策ではなく政治手法だった。安倍政権が人事権を濫用して民主政治家としての“禁じ手”を使っていることだ。元NHK経営委員長代行の上村達男・早稲田大学法学学術院教授が語る。「私の専門である組織論の観点から指摘すれば、安倍政権は内閣法制局長官、NHK会長などへの人事に介入し、自民党がこれまで恣意的な人事権行使を自制することで保たれていた権力のチェック機能を壊した。安倍政権をチェックするシステムをなきものにすることで批判をできなくしたのは民主主義を破壊する行為といっていい」 もうひとつは、森友・加計問題にみる行政ガバナンスの崩壊と政治の行き詰まりを招いたことだ。ノンフィクション作家の森功氏がいう。「お友達・側近政治で官僚組織のモラルを崩壊させた。モリカケ問題で官僚の公文書改竄や虚偽答弁を招き、いまや与野党の国会議員も首相を忖度して異なる政策を打ち出せない。その結果、政界には次世代を担う政治家が育たず、日本の将来が見えなくなってしまった」 政治家と官僚が国民ではなく上ばかり見るようになったら国の将来は暗い。◆「総理に推したのは間違い」 では、宰相にはどんな資質が求められるのだろうか。それを探るために、反面教師として他のワースト首相の顔ぶれを見ていこう。 堂々の(?)ワースト1位は前述の通り、菅直人氏。問われているのは国民の命を守る「危機管理対応能力」だった。東日本大震災の際、菅首相は「俺は原子力の専門家だ」としゃしゃり出て指揮系統を混乱させ、あまつさえ事故直後の福島第一原発に飛び、国の最高責任者が官邸を留守にするという危機を自らつくりだした。「ウルトラ警備隊の隊長気取りで、危機の中、自己満足の行動に終始した」(政治ジャーナリスト・安積明子氏) やることなすこと朝令暮改だった鳩山由紀夫氏の3位も予想通りである。「政権交代に対する国民の期待を短期間で無残に打ち砕いた。この時の民主党政権へのトラウマが国民にはまだあるから、安倍政権や自民党がどんなバカをやっても支持率が下がらない」(岸博幸・慶応義塾大学大学院教授) 政権交代可能な2大政党政治をぶち壊し、国民から政権の選択肢を奪ったことが最大の政治的責任だろう。 自民党では、ワースト5位に森喜朗氏が登場する。「小渕首相の急死によって密室の談合で選ばれた」(後房雄・名古屋大学大学院教授)と今も首相選出過程を疑問視され、その時の談合メンバーの1人、村上正邦・元労相も「総理に推したのは大間違いだった。神の国発言など空気が読めないし、辞めた後も恥知らずに大きな顔で五輪組織委員会会長をやっている」と突き放す。 森氏に続く“失言王”麻生太郎氏(6位)は、「反知性主義が目に余る」(精神科医・香山リカ氏)と総理の品格が問題視され、7位の小泉純一郎氏は「聖域なき構造改革で格差社会を創り、貧富の格差を拡大させた」(上脇博之・神戸学院大学教授)と政策の結果責任を問われている。◆「三角大福中」はなぜランク外か 危機管理能力も品格も、総理には必要な資質だろう。しかし、「総理に不可欠の条件」はもっと他にある。最低総理に森氏、宇野宗佑氏、鈴木善幸氏を挙げた後教授の指摘だ。「共通するのは、偶発的な緊急事態で本来は総理になるべきではなかった人が突然、総理に選ばれてしまったこと。それゆえ、資質も準備もなく、政権は大失敗になった。総理にならなかった方が政治家としての評価は保てたかもしれません」 総理は1日にしては生まれない。かつての自民党では、総理になる前に十分な訓練を積んだ。 ワースト10の多くは平成に入ってからの総理で、岸信介氏や佐藤栄作氏、田中氏はじめ「三角大福中」(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘の各氏)といわれた派閥政治全盛時代の総理はランク入りしていない。欠点がなかったわけではない。スキャンダルや国民の批判は今よりむしろ大きかった。 岸氏は安保闘争のデモ隊に国会を十重二重に取り囲まれて退陣し、田中氏は刑事被告人となって金権政治を批判された。中曽根氏、竹下登氏、宮沢喜一氏らも数々の政治資金スキャンダルにまみれた。“政界の暴れん坊”と呼ばれたハマコーこと故・浜田幸一氏は著書『日本をダメにした九人の政治家』の中で、中曽根、竹下、宮沢の3氏を名指しで批判している。 だが、いずれの政治家も、毀誉褒貶はあっても、総理になるために研鑽を積み、権力の使い方を学びながら総理になる準備と覚悟をしたうえで就任した。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。「昔の自民党では、総理総裁候補と呼ばれる政治家は権力の怖さ、正しい使い方を身につけていた。それは総理大臣の権力は国民のためにあるもので、抑制的に使わなければならないということ。権力を私物化するような政治家は総理候補にしない良識があった」 ランキング上位の顔ぶれを見ると、民主党の3人を含めて、総理になる準備、権力の正しい使い方を身につけていたとは思えない政治家が目立つ。安倍首相に決定的に足りない総理の資質もそこだ。東京新聞の望月衣塑子記者が語る。「モリカケ疑惑では行政の不正は明らかなのに、安倍首相は何も調査しようとしない。つまり、国民に向き合おうとしないのです」 自民党総裁選で問われているのは、「総理大臣の権力の使い方」であり、国民は自民党議員たちが総理の権力をチェックすることができるかを注目している。※週刊ポスト2018年8月17・24日号
2018.08.06 16:00
週刊ポスト
安倍氏と中曽根氏 同じ改憲論者でも姿勢は対照的
安倍氏と中曽根氏 同じ改憲論者でも姿勢は対照的
 安倍晋三・首相の連続在職日数は「2000日」に迫ろうとしている。ついに佐藤栄作、吉田茂という「大宰相」に次ぐ歴代3位の長期政権となった。 安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、憲法改正、規制緩和、日米同盟の再構築など、「大勲位」中曽根康弘・元首相の背中を追いかけてきた。いま、安倍氏は中曽根氏をすでに在職期間で追い抜いたが、国民の目に映る安倍氏の姿は“大宰相”とはほど遠い。 安倍首相と中曽根氏に共通する強い思い、それが憲法改正だ。海軍主計少佐で終戦を迎えた中曽根氏は、米軍占領下で実施された戦後最初の衆院総選挙(1947年)で初当選すると「憲法改正」を主張し、これまでに3つの憲法改正私案をまとめている。戦後70年以上、憲法に向き合ってきた保守政治家だ。 ところが、首相時代は、衆参同日選で大勝利を収めた後も、憲法改正に踏み込もうとはしなかった。政治学者の後房雄・名古屋大学大学院法学研究科教授が指摘する。「中曽根氏は現実政治家。当時の政治状況は、日米同盟強化が重要課題で、米国が望んでいない改憲は事実上不可能だった。国民のムードも踏まえ改憲の機は熟していないと判断し、国鉄や専売公社、電電公社の民営化などできる課題に取り組んだ」 政治状況を計算して行動をコロコロ変えることから中曽根氏は、「風見鶏」と呼ばれたが、それは国民のニーズを敏感に読みとったからだ。憲法改正は政治家としての悲願であっても「時に非ず」と判断すれば押し切ることはしなかった。自叙伝『自省録』の中でこう書いている。〈もう戦争はこりごりだという国民の思いに理解を持った人間でなければ、民衆の協力を得て、改憲などできるわけがありません〉 同じ改憲論者でも安倍首相の姿勢は対照的だ。改憲支持派が衆参で3分の2の勢力を持ついまがチャンスと国会発議を狙い、「この道しかない」と数の力で強行しようとしている。「憲法学者の7割が自衛隊は違憲といっている。憲法改正で違憲論争に終止符を打つ」 この言葉に象徴されるように、反対派と論争をしないための改憲に進まんとする安倍首相の姿勢に中曽根氏は危惧を抱いているという。100歳を迎えた後も中曽根氏の取材を続けている松田喬和・毎日新聞特別顧問が語る。「中曽根さんには、安倍首相にはなぜ、憲法を改正するのか、改正してどういう国をつくるかの“哲学”が見えないことが不満のようです。中曽根さんは頭が柔軟で、若い頃は安倍さんと同じように“米国に押し付けられた憲法論だから改正すべき”と唱えていたが、国民の声を聞いて、どんな憲法がいいか国民主導でつくるべきと変わった。だから改憲には国民全体を巻き込んだ議論を起こすことが欠かせないと考えているが、安倍さんはそれが見えない」 100歳を迎えた中曽根氏は〈政治家は常に歴史法廷に立つ被告人である〉ともコメントした。その言葉の重みを安倍首相は、どこまで理解しているのだろうか。※週刊ポスト2018年6月15日号
2018.06.07 07:00
週刊ポスト

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