◆「上が13も下がった」
“3割程度”の力というのはだいたいの目安であって、握力計で厳密に計る必要はない。
そこで、ミラー博士も“代用になる”と認めているのが、握力計の代わりにタオルを握りしめる“ハンドグリップ法”だ。
「握力計の代わりにフェイスタオルを用意します。それを筒状に丸め、片手でぎゅっと握る。親指とほかの4本の指が若干離れているくらいの太さが理想的です。爪の赤い色の部分が、ちょっと白くなるくらいの力の入れ加減が、最大握力の3割程度と考えてください」
実際の血圧の改善効果については、「私たちの経験では、4週間後に平均で最高血圧が13(mmHg)、最低血圧が5(mmHg)下がりました」と語る。
最低でも4週間ほど継続しなければ、効果は現われないという。このハンドグリップ法は、他の生活改善法や降圧薬とも併用できる。
「ただし、現在、高血圧で通院している人は、医師の指導に従った生活習慣改善や降圧薬の使用を第一に考えてください。ハンドグリップ法はあくまで補完的な手段と考え、主治医に相談しながら行なうと良いでしょう」
薬の服用と違い副作用とも無縁。血圧が高めで気になっている人は、やってみる価値がありそうだ。
※週刊ポスト2017年12月22日号