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マラソン大迫傑の師匠・渡辺康幸氏が明かす速さの秘密

「フットストライク」で日本新を狙う(写真:共同通信社)

「彼が日本新記録を出すのは時間の問題」──大学時代、箱根駅伝で早大のエースとして活躍し、現在、住友電工陸上競技部監督の渡辺康幸氏は、大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)の走りをそう評した。

 大迫は12月3日の福岡国際マラソンで2時間7分19秒の日本歴代5位のタイムで日本人最高の3位に入賞。

 渡辺氏は“箱根のスター”として脚光を浴びたが、卒業後は実業団でケガに苦しみ、マラソンでは思うような結果を残せなかった。その後指導者となり、早稲田大学の監督として出会ったのが大迫だった。大迫は1年時から箱根で2年連続区間賞を獲得。その才能を見込み、卒業後、米国に拠点を置くよう後押しした渡辺氏は力説する。

「大迫君は発展途上で、本人も上に行けると確信している。すべてが噛み合った状態で東京五輪を迎えられると思います」

 福岡国際のテレビ中継では大迫の走りについて繰り返し「フォアフット走法」という解説が加えられた。これはつま先から着地する走法で、アフリカ人選手に主流の走り方だ。渡辺氏は大迫の「フォアフット走法」をこう分析する。

「厳密にいえば、『フットストライク』という走法です。つま先から接地しているが、足裏中心まで綺麗に地面についている。力をロスせず、非常に効率がよく走ることができる。これができないと世界レベルのレースでは戦えません。この走り方は脛やふくらはぎ、アキレス腱に大きな負担がかかるため、彼の所属するナイキ・オレゴンプロジェクトでは、故障を防ぐ筋トレを重要視しています。

 福岡での彼の走りは、地面を蹴る力を推進力に変え、ストライドを伸ばし、足の回転数はそのままでスピードに乗るトラック競技の走法でした。そんな走りをしたら42kmもたないといわれてきたが、それができるのが大迫君です」

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