しかし、同紙の報道からわずか1日後の2017年12月12日、渦中のダスチャリ上院議員が「議員を辞職する」と発表した。ダスチャリ氏をめぐっては、「中国の利益につながるような言動を行っていた」との疑惑が浮上し、批判が高まっていた。具体的には、ダスチャリ氏は党の方針に反して、中国の南シナ海での領有権主張を支持するような発言をした録音が表面化したことを受け、党の役職を既に辞任。今回は労働党の副党首に対して、香港の民主化運動家との面談を止めるよう働きかけたと新たな事実も発覚したことから、もはや逃げ切れないと観念し、議員辞職を決意したようだ。

 人民日報は議員辞職前の論評で、「中国は一貫して相互尊重と相互内政不干渉の原則を基礎に他国との関係を発展させている。これは中国の外交政策の重要原則の1つだ。中国にオーストラリアの内政に干渉する意図はなく、政治献金を通じてオーストラリアの政治に影響を与える意図もない」などと主張していたが、これが詭弁であったことは議員辞職によって明らかになったようだ。

 ネット上では、「中国が他の国を『人種差別で誇大妄想』と批判したことは、笑えるね。まさに、皮肉以外の何ものでもない」などとのコメントが書き込まれている。

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