自治体消滅につながる問題として、すでに全国的に広がっているのが、シャッター商店街。これにいち早く対応し、再生を果たしているのが、香川県高松市にある丸亀町商店街だ。同商店街振興組合理事長の古川康造さんは、開発の経緯を以下のように話す。
「1988年のバブル絶頂期は商店街の最盛期で地価が高騰。月極めの駐車場代が5万5000円という時代もありました。その結果、商店主が町に住み続けらず、八百屋、魚屋、町医者が消え、商店街には高級ブランドブティックばかりが並ぶようになりました。そして郊外にはショッピングセンターができ、このままでは立地条件のいい駅前でも、商店街は衰退してしまうという危機感が生まれたのです」
1000人いた住民は、高齢者のみの75人にまで減少。日中は賑わうものの、夜はゴーストタウンになっていた。
そこで、地元住民を中心に『まちづくり会社』を立ち上げ、段階的に開発。飲食店や日用雑貨、生鮮市場、医療などの生活を支える機能を充実させ、建物上部を住居に替えて行った。
「商店街の活性化というと、買い物客を呼び込むことばかり考えがちですが、“人が住み、人が集うまち”を目指したのです。歩いて暮らせる町になったことで、高齢者と単身の学生を中心に居住者が増え、現在は商店街に面したエリアだけでも600人を超えました」(古川さん)
高齢者の人口割合は増える一方だが、同商店街ではその高齢者を中心に、今後10年で1500人が快適に暮らせる町にすることを目標にしている。
※女性セブン2018年2月1日号