「記事ではシンポジウムでの私の発言の一部が切り取られています。私の意図は、中国はかつて欧米列強と日本に侵略された経験があるのだから、大国の圧力を受ける小国の立場を理解したうえで、中国自身が他国に圧力をかける国になってはいけない、ということです」(君島氏)
護憲派で、前述したシンポジウムに出た君島氏も中国の報道には困惑している。しかし、「中国による平和促進」とは、具体的に何を指すのか。
「いまの中国は、国連PKOへの貢献を含めて、国連を含む国際秩序(グローバル・ガバナンス)の維持に、一定の努力をするようになっています。たとえば、トランプ大統領の米国が気候変動抑制に関するパリ協定から離脱したのに対して、中国はとどまっています。これらのことは、“中国による平和の促進”といえると思います」
君島氏は中国・人民解放軍のPKO参加を平和促進と評価する。それならば日本も憲法を改正して自衛隊を他国と同じ軍隊としてPKOに参加させれば、平和促進に貢献できるのではないか。
※SAPIO 2018年1・2月号