ビジネス

五輪スポンサーになる方法と、過去に横行した便乗商法

平昌五輪で活躍が期待される小平奈緒選手

 平昌冬季オリンピックがいよいよ開幕間近だが、オリンピックが近づくと「公式スポンサー」という言葉をよく聞くようになる。だが、彼らに一体どんな権利が与えられるのかというのはあまり知られていないかもしれない。また、公式スポンサーにならなかった企業もなんとか便乗しようとするのがオリンピックである。企業のあの手この手の便乗策にはどんなものがあったのか。

 五輪協賛においてもっとも位置づけが高いのが13社しかいない「ワールドワイドオリンピックパートナー」だ。彼らは世界中でオリンピックのロゴを活用したマーケティング活動が可能となる。コカ・コーラ、アリババ、インテル、トヨタ、VISA、パナソニック、ブリヂストンなど13社だ。

 スポンサーが得られる権利は「呼称の使用権」「マーク類の使用権」(大会エンブレム・マスコット・JOCエンブレム・JOCスローガン「がんばれ!ニッポン!」等・JPCエンブレム)、「商品/サービスのサプライ権」「大会関連グッズ等のプレミアム利用権」「大会会場におけるプロモーション」「関連素材の使用権」。これらを階層に応じて使用することができる。

 ただし、規制も存在する。寝具メーカーとして「東京2020オフィシャルパートナー」で、平昌大会でもオフィシャルパートナーとして選手団に寝具のサポートを行うエアウィーヴの高岡本州代表取締役会長兼社長はこう語る。

「私たちは高梨沙羅選手や小平奈緒選手個人とも契約をしています。ただし、ユニフォームに当社のワッペンを大きくつけたりすることは認められていません。競技で使う用具はその限りではなく、スキーの場合、選手が使う板のメーカーのロゴが板に描かれていたり、水泳でも水着メーカーのロゴが出ることは認められています。ただし、表彰台に上がる時は各国の指定のウェアになります」

 1992年のバルセロナ五輪の男子バスケットボールには、「ドリームチーム」と呼ばれたNBAのスーパースター軍団が登場した。連戦連勝で金メダルを獲得したが、アメリカチームのウェアはリーボック製のもの。だが、個人としてナイキと契約していたマイケル・ジョーダンは表彰式でリーボックの公式ジャケットを着ないと宣言し、モメにモメた。ナイキに対するクレームも寄せられるようになり、最終的にジョーダンは表彰式で星条旗を肩にかけ、リーボックのロゴが映らないようにした。
 
 ここで見られるリーボックのように、オリンピックのスポンサーは特別な存在であり、その企業はオリンピックの精神を理解しなくてはならない。日本コカ・コーラ株式会社・東京2020年オリンピックゼネラルマネジャーの高橋オリバー氏はワールドワイドパートナーとして、同社がIOCから期待されていることについてこう語る。

「アイディアを求められていると思います。バルセロナオリンピックの時、今や当たり前となった『聖火リレー』への一般市民の参加についてコカ・コーラ社が提案し、実現しました。新しいものを提案するのがコカ・コーラ社です。IOCとともに、オリンピズムを世界に浸透させ、オリンピックイメージを一般社会に広げていくことを期待されています」

 高橋氏のこの発言は、単に商売でスポンサーになるのではなく、オリンピズムやスポーツの素晴らしさを世界に広げるパートナーとの認識を持ち、その公益性を十分理解せよ、という風にも聞こえる。

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン