『女性セブン』読者によるセブンズクラブ会員(全国の20~80代の男女)437名を対象に、“揚げ物”に関するアンケートを行った(実施期間 2017年11月30日~12月6日)。週に1回以上揚げ物を作る人は4割弱で、意外と揚げ物をする人は多そう。そして、「揚げ油を1回で捨てますか?」との質問をしたところ、「捨てない」が63.2%、「捨てる」が36.8%だった。さらに、「捨てない」と答えた人に「揚げ油は何回まで再利用しますか?」と聞いたところ、「3回」が38.4%、「2回」が27.9%、「5回以上」が12%、「1回」が11.2%、「4回」が10.5%だった。
油は1度調理に使うと酸化し、体に悪いというが…。
「油の劣化(酸化)は化学反応によって起こります。それも、使用した時の温度が高いほど劣化のスピードも速くなります。つまり、低温より高温で揚げた方が油の劣化は早く進むのです」と、東京工科大学応用生物学部教授の遠藤泰志さんは言う。
「油脂が酸化すると酸化生成物ができます。これは、消化酵素の働きを低下させるため、胸やけなどを引き起こします。つまり、新鮮な油に比べて1度使った古い油は、消化が悪くなるのです」(遠藤さん)
とはいえ、フライ食品を大量に生産するような食品会社とは違い、家庭では使用する油の量も少ないため、多少再利用しても健康被害を起こすようなことはないと、遠藤さんは続ける。
1度使った油をもし再利用したいなら、次の手順を守るのがおすすめだと、大手製油メーカーの担当者は言う。
「調理後の油をそのまま置いておくのはNG。油は空気や光に触れれば、酸化が促進されます。揚げ油が熱いうちに油濾しで濾過し、冷ましてから保存容器に入れましょう。油濾し紙を使えば細かい油かすもきれいに取り除けます。ただし、火傷にはご注意を。
また、汚れが少ない場合は、揚げかすが沈むまで待ち、上澄みだけを保存容器に移し替えてください。保存容器は、光をさえぎり密封できるタイプのものを選び、暗くて涼しい場所に保管しましょう」
再利用の際、新しい油を補うのもおすすめだという。
正しく再利用すれば1回使った油でもおいしい揚げ物ができる。ならば、再利用する方が経済的にも環境的にもよさそうだ。ただし、揚げ物をする頻度が少ない場合は、その都度新しい油を使おう。
※女性セブン2018年2月15日号