笑い溢れるリハビリレクリエーションの風景
また、グーパー運動、耳鼻つまみ、足踏みしながら30まで数えて“3の倍数のときだけ手拍子”など、失敗することが楽しい体操も人気が高い。
「若いスタッフまでおもしろいように失敗するので笑ってしまいますね。老いることは哀しくもあり、でも『みんなも同じだよね』と思えることがうれしく、笑ってしまうのだと思います」
◆笑えないほど疲れたら好きなことをやってみる
「介護をするご家族にも笑いが必要だと思います。一緒にいる人のイライラ感は伝染してしまいます。でも、介護がつらくなるときもあると思うんです。
そんなとき、よく思い出す逸話があります。高校野球の試合でピンチになったチームメートがピッチャーマウンドに集まり、指をかんで口角を上げ、無理にでも笑顔を作る。すると不思議と心が落ち着いて前向きになれるというのです。笑いはそれほど力がある。
ぼくは笑えないほど凹んだときは、いろいろ考えず好きなジョギングや釣りをやってみます。好きなことはそれだけで気持ちがアガる。これは高齢者にも当てはまることで、もし親御さんが元気をなくしていたら、昔好きだったこと、得意だったことをやってみるといいと思います。たとえば料理や裁縫、写真撮影など。高齢者にとっては自分の役割や居場所が、何より前向きになれるのです」
※女性セブン2018年2月22日号