クールビズに続く“スニーカービズ”運動が展開されている。スポーツ庁が、働く人たちの健康増進を目的に、会社員にスニーカー通勤を促す「FUN+WALK(ファンプラスウオーク)」を提唱。3月18日までその強化週間となっている。
昨年10月にこのプロジェクトを発表した際には、同庁の鈴木大地長官自らもスーツに白いスニーカー姿を披露。靴を含めた歩きやすい服装での通勤を呼びかけた。
だが、国の掛け声とは裏腹に、どうもスニーカー通勤は広がっていない。その理由はいたって明確。「スーツにスニーカーはダサい」とのイメージが根強いからだ。
ファッションジャーナリストの南充浩氏もいう。
「ジャケットに綿パン、インナーにはTシャツやタートルネックセーターなどドレスダウンしたスタイルが会社で認められていれば、裾の短いパンツにカジュアルスニーカーを合わせたりすることで似合うでしょう。
でも、金融関係ほかお堅い職業や、多くの取引先を回らなければならない営業の人などは、きっちりネクタイまで締めたノーマルスーツの着用を義務付けられていることが多い。そのスタイルにスニーカーはどうしても違和感がありますし、お客さんや取引先の目も気になってしまいますよね」
靴のカジュアル化を認めるなら、スーツの着こなし方も柔軟に──という意見が出るのも当然だ。
スニーカービズに合わせ、紳士服大手の青山商事がストレッチ性や防臭効果を持たせた「エアテックスーツ」を出したり、はるやま商事がアディダスの協力を得てジャージ素材を使った「動けるスーツ」を発売したりとノーマルスーツも変化しつつあるが、やはりスニーカーとのコーディネートに抵抗のある人は多いだろう。
だが、上下同色のノーマルスーツに履いてもおかしくない“ビジネススニーカー”はある。