スポーツ

様々な仕事をする行司 最高位の年収は1300万~1500万円

「行司」の謎に迫る

 大相撲の行司といえば、世を騒がせたセクハラ騒動が記憶に新しいが、行司は他のスポーツで言えば「審判」。彼らは土俵の上で取り組みを裁くだけが仕事なのか?

 実は彼らの仕事は審判だけではない。横綱や幕内力士の土俵入りの先導のほか、翌日の取組書きと土俵上での紹介、勝敗の記録、さらに決まり手の場内アナウンスも行司が担当している。

 本場所中以外でも土俵祭りの祭主、番付や取組編成会議での書記、顔触れ書きなど、土俵内外で色々な仕事がある。新番付発表と同時に配布される番付表の元書きも行司の仕事だ(現在は三役格の木村容堂が担当)。これに部屋の雑務が加わる。掃除、各種の案内状や礼状書き、打ち上げや激励会での司会、冠婚葬祭の仕切りなど仕事量は多い。

 特に「先発書記」と呼ばれる巡業に帯同する行司は超多忙。45人のうち30人の行司が帯同するが、庶務や総務、経理までが全部一緒になった状態で、担当親方のサポートはもちろん、巡業運営の中心的役割を果たさなければならない。

 新弟子は最初の1年は行司会監督に付いて基本を教わる。それが終わると部屋や一門の先輩について勉強。相撲字(極太の楷書文字)などを徹底的に叩き込まれる。3年間は養成期間だ。力士に負けず劣らず上下関係が厳しいと言われ、セクハラ問題も起きた。

 給料は本給、装束補助費(立行司で約5万円)、手当。序ノ口行司の初任給は本給1万4000円+手当12万6000円で月14万円。本給は階級が上がるたびに増え、横綱にあたる立行司になれば年収1300万~1500万円といわれている。

※週刊ポスト2018年3月23・30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン