気になるのは呼出の装束に書かれた文字。裁着袴の下の着物には「紀文」や「なとり」などの広告が入っている場合もある。
「戦後、物資不足で困っていた時に、角界を盛り上げるために着物を提供し続けてくれた企業名を、今も感謝の気持ちで入れています。本場所15日間で着用日が決まっています」(呼出)
また、呼出の中には袴の背中部分に力士の四股名が刺繍されている場合がある。これは大関や横綱に昇進した力士は呼出に袴を贈る、という昔からの風習によるもの。呼出は土俵まわりの雑用をすべてこなす陰の演出家だ。
※週刊ポスト2018年3月23・30日号