作家に長編小説を書き続けさせる、その思いが伝わる言葉がここにある。やはり夢枕氏が綴ってくれた。
「物語は、長い方がいい、というのは昔から思ってきたことだ。永遠に終わらなくてもいいとさえ思っている。読んでいる物語の残りページがだんだん少なくなってゆくのは哀しい。ただ、わざと終わらない、それはよくない。長さはむろん、好きなことを納得いくまで書く、ということの結果としてあるべきだとも思っている」──。
まさに、作家としても読者としても、“変態的長編愛”の夢枕獏氏なのである。
【プロフィール】ゆめまくら・ばく/1951年神奈川県生まれ。1977年作家デビュー、『キマイラ』『魔獣狩り』『陰陽師』シリーズなど数々の作品を発表。『神々の山嶺』(柴田錬三郎賞)、『大江戸恐龍伝』等長編も多数。映画『空海 ─KU-KAI─』が公開中。第65回菊池寛賞、第21回日本ミステリー文学大賞受賞。「夢枕獏 変態的長編愛を語る」トーク&サイン会が4月5日(木)午後6時30分~三省堂神保町本店にて開かれる。参加申し込みは三省堂書店WEBサイトhttp://jimbocho.books-sanseido.co.jp/より。動画「夢枕獏変態的長編愛」がhttp://www.asahi.com/and_M/articles/SDI2018030946721.htmlで見られる。