国内

国内畳シェア95%占める熊本で聞いた畳を長持ちさせる方法

寸分の違いもなく縫いつけていく作業はまさに職人芸

 畳の国内生産量の97%、その原材料であるい草の国内収穫量は95%と、国内の畳シェアのなんと95%を占めている熊本県。

「熊本市、八代市をはじめ、熊本県内で作られる畳は、ほとんどが八代平野で栽培されるい草を使っています。ですが、国内で使われている畳は外国産い草が70%を占めていて、国産は全体の30%にすぎません。そのため、熊本の畳表は最高級品として称されていますが、その分、丈夫で長持ち。それは各農家が時間と手間をかけた製法で作っているからです」(熊本県畳工業組合理事長・倉嵜勝也さん・以下同)

 い草を刈ったあとの乾燥や、仕上げ方法が他とは違う。

「外国産は、大量生産するため、燃料を使って高温で乾燥させるのですが、これだと表面がパサパサになり、劣化も早い。その点、熊本産は畳表に艶となめらかさを施すために“泥染め”をしてから、約16時間かけて低温乾燥させ、傷や枯れたものがないか1本1本、職人が選別しています。また、畳表が完成した後も自然乾燥をさせるなど、手間がかかる分、瑞々しくて、い草特有の爽やかな香りがしますよ」

 丁寧な作業で作られた畳表は、青々とした色合いから、使い込むほどにあめ色に変化していく。時間が経っても、表面の艶が保たれているのが最高の状態だ。最近は、フローリングの家庭も増えているが、日本古来、使われてきた畳には、以下のような効能もある。

「い草には優れた調湿、断熱効果があり、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせます。また、ホルムアルデヒドや二酸化窒素を吸着し、空気清浄機のような役割もしてくれるのです」

 長く使えば使うほど味わいが増していく畳。より長持ちさせるには、どうすればいいのだろうか。

「湿気がこもらないよう、風通しをよくすること。ほうきや掃除機は畳の目に沿ってかけ、拭く時は乾拭きで。磨くほどに、表面に艶が増していきます」

 通常畳は4~5年で裏返し、7~8年程度で表替えを行うのが一般的。湿気の少ない時期が畳替えには最適だ。

※女性セブン2018年4月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン