状況が変わったのは、昨年10月、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑報道をきっかけに、「#MeToo(私も)」とセクハラ被害に声を上げる人たちの輪が世界中に拡大したことで、中国でも性的事件の被害者らが注目されるようになってきたことだ。
高さんのレイプ事件やその後の自殺がネット上で拡散し、瀋氏への批判が高まってきていたが、ついに瀋氏が教鞭をとっていた南京大学と上海師範大学が4月に入って「声明」を発表し、高さんの事件に触れたうえで、瀋氏の責任に言及し、教授を解任することを明らかにした。
これに対して、高さんの両親や当時の同級生は「ようやく、高さんの無念が晴れたのではないか」などとコメントしている。
だが、ネット上では「20年も社会的に責任をとらなかったことは信じられない」「中国の教育者の程度の低さ露呈している」「中国の制度では、学生の権利がないがしろにされており、党や教職員が権力の上に胡坐をかいている」などの批判の声が出ている。