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2018.04.27 07:00  SAPIO

山崎正和氏 シェイクスピアが無限の栄養源となった

 シェイクスピアと同時期に読んだのが『鴎外全集』(鴎外全集刊行會)【2】に収められていた初期の小説です。ここからも言葉について多くを学びました。ちなみに、後に私は鴎外論(『鴎外 闘う家長』)を書いてご褒美(読売文学賞)をいただきましたが、当時、子供の頃に鴎外を読んだ記憶はまったくありませんでした(笑)。しかし、やはりどこか意識の下にあったのでしょう。

 もう1冊、思い出深いのは大学に入った年に読んだベルクソンの『哲学入門・変化の知覚』(岩波文庫)【3】。これは私が哲学に関心を持つきっかけになった作品ですね。これは訳者の文章も素晴らしいです。

 若い頃に読んで私の人生に大きな影響を与えた本と言えば以上の3冊ですが、中でもシェイクスピアは私にとって社会活動を含めた精神活動の宝庫であり、ここからいろいろなものが引き出せるのです。文章で生きる人間にとって栄養源であり、揺り籠ですね。

【PROFILE】山崎正和(やまざき・まさかず)/1934年京都府生まれ。劇作家、評論家。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。日本芸術院賞・恩賜賞、文化功労者、紫綬褒章など受賞、受章多数。『山崎正和著作集』(全12巻、中央公論社)、『山崎正和全戯曲』(全3巻、河出書房新社)など著書多数。*写真の本は刊行当時のもの。

※SAPIO2018年3・4月号


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