「解散、受けて立つ」──永田町で強まる解散説を一番喜んだのが玉木雄一郎・希望の党代表だ。
民進党と希望の党が合流する新党「国民民主党」の旗揚げを進めてきた玉木氏ら野党再編派は、「選挙ムードが高まるほど“落選の危機”を感じて新党に参加する議員が増える」(同党議員)と計算していた。
新党は、民進党が持つざっと100億円といわれる旧民主党の遺産(政治資金)を引き継ぐものの、肝心の支持率は両党合わせても1%ほど。そこで選挙では立憲民主党に投票される票の“おこぼれ”をもらう作戦を立てたという。
「党名として『平和民主党』『経済民主党』『立憲自由党』などの候補が検討された。略称を“民主党”や“立憲”にしておけば、立憲民主の票を案分してもらえるという“計算”があったが、どちらの略称も先に立憲民主に押さえられていたから無理だった」(民進党系議員)
諦めずに今度は立憲民主党に比例代表の「統一名簿」を呼びかける方針だ。
「うちは多くの候補者を立てるカネはあるが票はない。立憲民主は票はあるがカネがないから新人を擁立できない。統一名簿なら互いに補完できる」(同前)
こんな体たらくだから、どんなに支持率が低かろうと安倍首相が解散風を吹かせたくなるのも、むべなるかな。
※週刊ポスト2018年5月18日号