「私はそうした後悔の念に駆られるご家族のかたに、いつもこんなふうに話しています。旅立たれた人がどう思っているか考えてみてください。遺された人が後悔している姿を亡くなったかたは果たして喜んでいるでしょうか。いつか死ななくてはいけないのであったら、『死ねる喜び』を感じていたいはずです。旅立たれた人に心を寄せて、あなた自身のこれからの生き方・死に方のお役に立っていると思えたら、それは『なんとめでたいご臨終』になるはずです」

 一度しかない最期を後悔しないために、何より大切なことが「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」だ。患者や家族が医師や看護師、ケアマネジャーなどを交えて、最期をどこで過ごしたいか、延命治療をするかしないか、救急車を呼ぶか呼ばないかなどを予め決めておくことだ。

「エンディングノートに書いておくという人も多いかもしれませんが、このACPは家族はもちろん医療・ケアの関係者も交えて話し合うことで、より自分の意思が反映されるメリットがあります。

 元気なうちに最期について話し合うことは簡単ではないと思われるかたも多いでしょうが、これはみんなのため。病状によって気持ちは変わりますから、ぜひ定期的に話し合っていただきたいと思います」(小笠原さん)

 日頃からの備えがあれば“その時”が来ても慌てずに済む。みなさんはどんな最期を迎えたいですか?

※女性セブン2018年5月24日号

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