獣医学部を開設したからだけではない。加計学園は獣医学部こそ受験生の人気が高かったものの、千葉科学大学など傘下の大学は定員割れに苦しんでいる。あてにしている獣医学部への国からの私学助成は卒業生が出る6年後まで支給されないルールだ。ところが、私学助成には“抜け道”がある。
「同じ学校法人であれば、定員割れしている他の大学・学部の定員を減らすことで、新設学部でも助成金を受けることができる。加計学園もこの特例を使って入学者が減っている他の学部の定員を減らし、獣医学部の助成金を申請すればもらえる。しかも、医学部や歯学部、獣医学部の学生1人あたりの助成金は他の学部より高いから、私学助成の総額も増えるはずだ」(文科省関係者)
文科省私学助成課もそれを認める。
「そうした特例はある。法律ではなく、日本私立学校振興・共済事業団の補助金取り扱い要綱の規定で、同事業団の審査で認められれば新設学部でも交付金が出ます」
安倍側近の文教族議員たちが、“総理のお友達の学校法人がこれほど優遇されているのだから、いまのうちにわれわれの親しい学校法人にも分け前をもらおう”と大学授業料無償化に走るはずである。
※週刊ポスト2018年5月25日号