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ロールス・ロイスの「意外に手頃なSUV」はヒットの可能性大

「魔法の絨毯」といわれるロールス・ロイスSUVの乗り心地は?

 超高級車ブランドとして知られるロールス・ロイス(英国)がSUV(スポーツ多目的車)を発表して大きな話題となっている。一体どんなクルマなのか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が、ロールス・ロイスの歴史とともに紹介する。

 * * *
 2018年5月10日、ロールス・ロイスは、新型モデルとなる「カリナン」を発表しました。この世界最大のダイヤモンドにちなんだ名前を持つロールス・ロイスの最新モデルは、同ブランド初のSUVでありました。

 ベントレーの「ベンテイガ」、ランボルギーニの「ウルス」、メルセデスベンツのコンセプト「アルティメット・ラグジュアリー」に続いて、ラグジュアリー・ブランドのトップに位置するロールス・ロイスも、ついにSUVをリリースしたのかと、世界中から注目を集めています。

 ロールス・ロイスほど伝統と格式を感じさせるラグジュアリー・ブランドはありません。

 自動車がようやく世に広まり始めた1900年代初頭に英国で誕生。非常に高額ではありましたが、優れた走行性能と静粛性、耐久性が認められ、すぐに超高級車として大人気に。驚くほどの乗り心地の良さは「魔法の絨毯」と称賛されたほど。そのため英国の王室など、世界各国のVIPがこぞってロールス・ロイスを買い求めました。その中には日本の皇室も含まれます。

 また、ロールス・ロイスは自動車だけでなく、航空機のエンジンにも手を広げ、第一次世界大戦や第二次世界大戦において英国を守る航空機の心臓として大活躍します。

 ちなみにロールス・ロイスは、1970年代に経営が困窮し、国営化されて、飛行機部門が分離されています。今も多くの旅客機のエンジンにロールス・ロイスのエンブレムを見ることができます。また、ロールス・ロイスの乗用車部門は、ドイツのBMWの傘下となっています。

 世界のセレブの愛車となったロールス・ロイス。そのライバルとなったのはメルセデスベンツでした。しかし、メルセデスベンツは、エントリー向けのコンパクトカーから商用車まで手掛ける総合自動車メーカーに拡大していったため、“ラグジュアリー”というイメージだけなら、今はロールス・ロイスが上と言っていいでしょう。

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