また、ロールス・ロイスにはベントレーという兄弟ブランドもあります。そちらは現在のところフォルクスワーゲンの傘下となっており、ベントレーは、よりパーソナル色の強いドライバーズカーというキャラクターを前面に押し出すようになっています。そのためロールス・ロイスは、よりフォーマルなブランドとして見られています。
ロールス・ロイスがどんなクルマかと聞かれれば、世界最高の「ショーファードリブン」と答えてさしつかえないでしょう。ショーファードリブンとは、お抱え運転手付きのクルマのことです。つまり、オーナーは運転席ではなく、後席でゆったりとくつろぐクルマ。
もちろん価格は驚くほど高額です。たとえば代表モデルであるファントムであれば、1台が5000万~6000万円。ですからアジアの超高級ホテルが、お客様の送迎用に数十台単位で購入したときに、数10億円かかった! とニュースになるほど。それほど高額なクルマですから、コストパフォーマンスを考えると、普通の人の選択肢には入ることはありません。
日本の会社であれば、どんなに偉い人でも、黒塗りのハイヤーで十分。また、メルセデスベンツのトップモデルであるSクラスマイバッハでも2000万円台です。普通の感覚であれば、マイバッハで十分に贅沢。国賓を迎えるときも、普通はSクラス同等が運用されているのではないでしょうか。
そういうわけですから、便利とか高性能とかコストとか、そういうものではなく、ひたすらに“贅を尽くす”ために選ばれる。それがロールス・ロイスと言えるでしょう。