ライフ

【法律相談】喫煙後のエレベーター使用禁止は喫煙者差別か

「45分エレベーターを使うな」は法的にどうなのか

 受動喫煙の悪影響が取り沙汰されたり東京五輪も控え、喫煙に関する様々なルール作りが進んでいるが、最近話題になったのが、奈良県生駒市役所の「タバコを吸ったら、エレベーターの使用禁止」という決まりだ。そこまで制約を加えるのは、果たして法的に許容範囲なのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 これは喫煙者に対する差別なのではないでしょうか。生駒市役所が実施している「タバコを吸った者は45分間、エレベーターの使用を禁止する」という決まりです。喫煙者はマナーを徹底すべきですが、生駒市役所の無慈悲な決まり事はあんまりだと思います。この規則事項は人権問題にならないのですか。

【回答】
 受動喫煙とはタバコの煙と喫煙者が吐き出す煙に含まれる有害成分が周りの人に及ぼす悪影響の問題で、二次喫煙ともいわれています。

 実験では喫煙者の息には吸い終わってからも、45分間はタバコの匂いが残るとされ、その間、息は有害成分を含んでいることになります。市は密閉されたエレベーターに喫煙後の人と同乗すると、受動喫煙の危険があると判断したのでしょう。こう考えると、生駒市のエレベーター利用制限も、一概に不当・不合理とは思えません。

 地方自治法は地方公共団体の長が「公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること」を担当業務とする旨を定め、施設の管理の事項は条例で定めなければならないとしています。生駒市の市庁舎管理規則を見ましたが、喫煙後45分以内のエレベーター利用制限に関する規定はありませんでした。しかし、規則になくても必要な事項は、そのつど市長が定めるとされているので、市長さんが庁舎管理権に基づいて定めたものだと考えられます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国民に愛された『TOKIO』解散》現場騒然の「山口達也ブチギレ事件」、長瀬智也「ヤラセだらけの世界」意味深投稿が示唆する“メンバーの本当の関係”
NEWSポストセブン
漫画家の小林よしのり氏
小林よしのり氏、皇位継承問題に提言「皇室存続のためにはただちに皇室典範を改正し、愛子皇太子殿下の誕生を実現しなければならない」
週刊ポスト
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン